デスクワークをしだしてから腰痛がひどい

当院に来院される方の職業別ランキング第一位は『看護師』さん。
医療に携わる方は24時間365日問わず人のお役に立たれて大変尊敬いたします。

そして第二位は『介護士』いわゆるヘルパーさん。
これまた24時間365日問わずご高齢の方や体の不自由な方のために貢献されていて大変素晴らしいです。

当院には医療介護に携わる方が多く通ってくださるため、まず説明がしやすいです。
体の構造や筋肉のことなど、ある程度医学的知識を持っておられる方ですので比較的説明はしやすいですし、ご理解頂くこともスピードが早いです。
ですが、もちろん医療に携わっていない方にはできる限り噛み砕いて理解しやすいよう説明しているため、どうぞご安心下さい。

看護介護ともに取り扱うのが『人』であるがために、介助などで少々無理な体勢をとって仕事せざるを得ず、とても大変な職業です。
お仕事上、コルセットの着用は必須となるでしょう。

ですが、動かずにずっと座りっぱなしという仕事も辛いものがありますよね。
いわゆるデスクワークによる肩こり腰痛に悩まされる方もここ最近は増え続けています。
無理な体勢と同じ姿勢をとり続けることが痛み不調を引き起こす原因となっている方が多く見受けられます。

そこで、今回は貝塚市からお越しの方についてお話しますね。
就職してデスクワークしだしてから腰痛がひどい
とのこと。

当院にはご家族のご紹介で学生時代から来院されていましたが、学生時代は姿勢不良による肩こりがひどかったものの、就職しだしてからはデスクワークが多く、座りっぱなしがきっかけで肩こりはそれほどではないものの、慢性的な腰痛がだんだんとひどくなってきているとのことでした。
早速検査確認してみると、


後ろからの座位での状態ではあまり歪んでいるようには見えません。
ややの高さの左右差が少し見られる程度です。
今度は側方から診てみると、

やや猫背の状態。
顎が少し上がっており、骨盤の真上よりやや前方に頭がある状態でした。
仕事中は座っていることが多いため、猫背にならないように意識は常にされているとのこと。

さらに腹臥位で検査してみると、
足の長さに左右差が出ている状態となっていました。
さらに腰部の圧痛点を確認してみると、腰方形筋に圧痛と運動時痛がある状態でした。
腰痛がひどい日は、何も動かさなくても腰に痛みと違和感を常に感じる状態とのことでした。
腰方形筋(ようほうけいきん)とは以前にもご紹介しましたがこれ。

骨盤から肋骨に繋がっている筋肉で、主に体幹を倒したり捻ったりする時に使われる筋肉です。
この筋肉に左右差を生じているため、骨盤背骨が歪み腰痛が起こっている状態となっていました。

さらに仰臥位で体の状態を確認してみると、

ご自身ではこれで精一杯まっすぐになって寝ている状態とのことですが、くの字に曲がっています。
頭側から確認してみても、

全然まっすぐに寝ることが認識できていない状態。
そこで早速SPB療法開始。
当院の整体の特徴は、腰方形筋が緊張しているからといっても腰方形筋にはダイレクトにアプローチしません。
腰方形筋に緊張を生じているのは骨盤歪みがあるからであって、骨盤歪みを解消しなければいくらこの筋肉だけをマッサージのようにもんだりしてもその瞬間は気持ちよさや効いたような感覚になりますが、すぐに痛みとなってぶり返します。
ですので骨盤を矯正し、その骨盤の上についている背骨を調整することで体の歪みを整えていくと腰痛はやがて解消されてきます。

足の長さの左右差も解消しており、

施術後は同じように仰臥位で自分自身で精一杯まっすぐの状態。
施術前に比べてまっすぐを認識できるようになっているため施術終了。

頭側から見てみても大丈夫そうですので終了。

頭の位置も骨盤の真上にあるようですので、猫背も解消してOKです。
ただし、施術を一回受けただけですぐに腰痛から解放されるわけではありません。
体の歪みであれ整った状態であれ、脳が体の形状を記憶しているため、またしばらくすると歪んできます。
ですので次回来院された時に施術前に検査してみて前回受けた施術がどこまで保つことが出来ているかを再び調べてみて、保つことができているところが繰り返して認識されてくると、今度は体がまっすぐを保とうと働き出します。

あとはいくら歪みを整えたとしても、それ以上に座りっぱなしの姿勢を繰り返していると、せっかくの矯正も無駄になってしまいます。
ですので当院での施術を繰り返して受けることと同時に、腰に負担がかかっている姿勢や座り方、座りっぱなしの生活習慣そのものも必ず見直す必要があります。

慢性的な腰痛持ちの方がまず普段の生活習慣で見直すべきところは、『重心
人間の重心つまり体のど真ん中は、ちょうどおへその下あたりになります。
その重心の位置から手足が遠のくと腰痛が現れます。

ですので普段の生活の中でこの重心を意識して荷物を持ったり座ったりという体の使い方の癖を見直す必要があります。
さらに同じ姿勢を取り続けないよう、30分程度に1回くらいは立ち上がったりして身体を動かすようにして座りっぱなしを避けるようにしておくことです。

ご自身の治る力いわゆる自然治癒力だけで腰痛が解消されるレベルであればまだ整骨院整体院などにお世話になる必要性はないかも知れません。
ですが人間は20歳をピークに自然治癒力は低下してきます。
ですので自然治癒力だけに任せても解消しきれない腰痛がある時は早めに対処されることが賢明です。