自覚症状の反対は?

今日から8月です。
今年は3年ぶりに太鼓台祭りをここ貝塚市でも開催されたため、感染爆発で祭り後から先週にかけてご予約のキャンセルが相次いでおりますが、ほとんどが軽症レベルとのことですので、まずは安静にし、熱さまシートや解熱剤などを用いて一日でも早く回復されることを願っております。
また、今年は梅雨がほとんどなかったため、例年に比べてとても暑い日が多いですが、夏バテしないようまた熱中症にならないよう気をつけていきましょう。

さて当院に来院される方で多い症状は、肩こり 首コリ 頭痛 五十肩 腰痛 坐骨神経痛 膝痛となりますが、これは当院だけに限らず貝塚市内にある整骨院に通院されている方のほぼほぼに当てはまるのではないでしょうか。

その他にももちろん足底筋膜炎外反母趾 頸椎ヘルニア 頚腕症候群 胸郭出口症候群などなど、数え上げればきりがないですが、どのような症状であれ、自覚症状として痛みや痺れ、だるさなどの不快感や違和感を感じるから整骨院を利用されているというのが普通です。
極まれに
痛みも違和感も何もないけど、体の歪みが気になるから通ってみた
という方がいらっしゃいます。
実際に鏡を見て自分の肩の高さに左右差があるのが目視できたり、骨盤歪みがあることを鏡で見て気づくという方もあれば、家族や知り合いの方から
あんた肩の高さ全然違うで
と指摘されてご自身の体の歪みに気づかれるという方もいらっしゃいます。

肩こり腰痛などといった自覚症状を感じることはないけれど定期的に通院されている方で最も多いのは側弯症
これは思春期に生じやすく、学校の健康診断で指摘されることが多く、また女性によく見られます。今までの20年以上の臨床経験の中でも男性の側弯症は見たことがありません。
このような側弯症背骨歪みを生じている方は大抵親御さんが将来体の不調で悩まされないようにということで自覚症状が出ないよう予防目的で当院を利用される方が多いです。

ところでこの「自覚症状」の反対の言葉は何か?
当院に来院される方に伺ってみても返ってくる言葉の多くは
「無自覚?」
「無症状?」
とおっしゃる方が大半です。

自分のことは自分と言いますが、では自分以外を何と言いますか?
とお伺いすると
他人・・・ってことは他覚症状?
そうです、自覚症状の反対は「他覚症状」です。

自覚症状は自分で感じ取ることができる痛み違和感などですが、他覚症状は他人から見て感じ取ることができる症状です。
例えば、股関節の硬さの左右差や背骨の弾力性なども他覚症状ですし、バンザイしたときに生じる伸びの左右差などが他覚症状となります。

今の流行り病の検査であるPCアール検査も他覚症状ですし、血液検査レントゲンなども他覚症状となります。

毎年のように学校や職場で健康診断があったり、さらに健康に対する意識レベルが高い方であれば人間ドックを受診されたりするでしょうが、血液検査で血糖値が高いからと血糖値をコントロールする薬が処方され、尿酸値が高ければ尿酸値を下げる薬が処方され、ɤーGTPが高ければ肝臓の数値を正常化する薬が処方される。
痛くもかゆくもないにも関わらず・・・です。
これもある意味治療薬とは言いながらも予防薬と言っても過言ではありません。
もし、血糖値が高い状態を放置し続け、やがて正式な糖尿病と診断され、さらに放置し続けていると合併症である下肢など末端の壊疽や失明などを生じてはいけないから薬でコントロールするのです。
糖尿病と診断されたとしても別に痛くもかゆくもないはずです。むしろ自分が糖尿病ということを知らされて何も感じていないことにショックを受けられる方のほうが多いのではないでしょうか?

糖尿病と診断されたら薬で血糖値のコントロールをしていなければ、やがて口渇・多飲・多尿となり、さらに悪化し続けると最悪の場合、下肢など末端の壊疽や失明などによって命を落としてしまうことに繋がりかねない。
壊疽や失明などの合併症を生じるようになるとさすがに自覚症状として足や目に不快な感覚が現れるはずです。
内科的な疾患はほとんどが自覚症状を発症する前の段階つまり他覚症状が見つかった段階でそれ以上症状が悪化して自覚症状が出ないようにしていることを治療と言っています。

これを整形外科的にもしくは整骨院的に見てみると、レントゲンを撮って骨に変形がある状態や徒手検査によって肩関節の可動域を検査してみると左右差があるという状態を他覚症状と言えるでしょう。
そして、膝痛五十肩などの症状を自覚症状と言えます。

さてここで考えてみて下さい。
病院や学校・職場などで受けている健康診断は病気を早期発見するために行っています。
ですが当院に来院される方をはじめ、整骨院整形外科などに通うきっかけは腰痛などを生じてから、つまり自覚症状が現れてから通院しだすのです。
自覚症状が現れてからすぐに通えば早く良くなるものの、症状が悪化してどうしようもなくなってから来院される方も中にはいらっしゃいます。
これはまるで血液検査でck(クレアチンキナーゼ)の数値が高いのを放置し続けた結果、狭心症がさらに悪化して心筋梗塞となり心臓があまりにも痛すぎるからそろそろ治療をしようと病院へ通うことと同様です。

25年ほど前までは柔道整復師鍼灸師・あんまマッサージ指圧師のような資格を取得する養成学校が大阪には3校ほどしかありませんでした。
当然狭き門だったため、専門学校に入るためにはカネコネがないと入ることができませんでした。
それを知らずにまんまと受験して試験の手ごたえを感じながらも不合格という経験をしたことがありました。
当然はじめて受験したときにはカネコネどちらも持ち合わせていなかったからです。

ですが小泉さんが厚生労働大臣だった頃に小泉さん自身が議会に出席する前に整骨院鍼灸院などで体の健康増進のために通院していたことがきっかけで、それまでの規制を解除し自由化したことで大阪に3校ほどしかなかった養成学校が一気に100校越えとなり、資格者がわんさか増産され、今ではコンビニの数より多いとも言われるほどになった鍼灸整骨院業界。
小泉さんが目論んでいたのは、おそらく治療院を沢山増やすことで自由競争の中勝ち抜いた整骨院がより優秀な整骨院であると考えたことと、寝たきり高齢者が減ることで介護保険の削減やケガなど転倒防止にもつながり、健康保険の削減にもつながると考えたのではないでしょうか?

もしそういう思惑があっての整骨院量産があったのであれば全くの見当違いです。
肩こり・腰痛・神経痛何でもかんでも健康保険で診療する整骨院 接骨院が増えすぎてもはや今のほうが余計に税金を圧迫する羽目になってしまっています。

急性外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷に対する処置を整形外科の代用として利用される方のみ受け入れて健康保険で診療している整骨院であれば素晴らしいです。ですがそんな整骨院はごくわずかかも知れません。少なくとも大阪では。

当院では健康保険診療は一切受け付けておりません。
なぜなら骨折の疑いがある方は応急処置をする以前に整形外科が斜め向かいにあるためすぐにそちらへ通院されることを促しているからです。
脱臼はたまに子供さんの肘内障いわゆる肘が外れた方は来院されます。
昨年末にも整形外科が正月休みに入っていたため当院がたまたま灯りがかろうじて点いていたため5歳児を自転車の後ろに乗せたママさんが来院されました。
さすがに痛がっている子供を連れてこられたにも関わらず保険診療を受け付けていないことを理由に無下にお断りすることもできず、自費診療だからと言って肘内障レベルをものの30秒で整復して5,000円頂くこともできず、結局院前で自転車に乗せたままでその場で整復処置をして何もなかったかのように、そして今後はあまり無理矢理手を引っ張ったりしないよう指導してお引き取り頂きました。
捻挫打撲・挫傷に関しては健康保険を使いたいという患者側の要望があれば貝塚駅周辺の近隣の整骨院を数件ご紹介することはしますが、自費診療でも全然構わないという方は全然診させて頂いております。
また、他の整骨院へ通っていたけど足の捻挫の痛みが尾を引いて腰痛膝痛まで二次災害が出ているという方がご紹介で来院される場合もありますが、そういった場合は捻挫の処置をしながら二次災害で生じている痛みも全体のバランスを整えることで早期改善に努めています。
当然その場合も当院では自費診療のみとさせて頂いております。

ですが、当院はさらにそのもう一歩先を目指して取り組んでいます。
それは自覚症状が出てから通院するスタイルではなく、他覚症状があればそれを早期に取り除いて肩こり腰痛などの自覚症状に繋がらないよう、また例えぎっくり腰寝違いなど急に痛みに襲われたとしても早期に解消へ向かうための予防のために定期的な体のメンテナンスに取り組んでもらっています。
最も分かりやすいのがぎっくり腰ですが、
今まで1年に何回も繰り返していたぎっくり腰が、スッキリに通いだしてからここ数年全くギックリやってない
という方が多数いらっしゃいます。

そうです、当院の目指すのは治療院ではなく予防院
それによって無駄な税金を少しでも減らし、もっと大切なところに税金が行き渡るような社会貢献もできる整骨院でありたいものです。
そうして
貝塚市が日本で一番の健康長生きな方が増えているのは良質な整骨院が沢山の方に貢献しているからです
とメディアで報道されるようになればより沢山の方が整骨院へ通院され、我々の業界も夢のある将来なりたい職業ナンバーワンになるのも間違いなし!