急な痛みに襲われることがあるため、季節の変わり目には要注意。
そんな季節の変わり目に、今回は貝塚市橋本からお越しの方についてお話しますね。
『何日か前に朝起きてから色々と仕事に出かけようとして準備していたら、何かだんだんと腰が痛くなってきて、歩けないほど痛くなってきて、背もたれが斜めになっている椅子に座るのがすごい辛いけど、これって一体何なん?』
とのこと。
安静時痛なし
夜間痛なし
運動時痛あり
のため、明らかに筋骨格系のトラブルであることは間違いないのですが、腰が痛くなってくる前日や当日に特に重たい荷物を持つことが多かった訳でもなく、長時間立ちっぱなしや座りっぱなしのような姿勢を取り続けた訳でもなく、腰に負担をかけるようなことをした訳でもなく、腰痛が起きる原因となるものがはっきりと明確でないため、またこのような腰痛は人生で初めての経験のため、とりあえずよく分からないまま、ご家族の方に腰の痛いところをギュッとひと押しツボ押しのようにマッサージのように押してもらったら、なんだか痛みが軽くなって、
『もしかして腰痛治った!?』
と思ったのも束の間、しばらくすると今度は腰痛はさらに悪化し、おまけに大腿部の外側に痛みと痺れが出てきたため、素人判断では良くないと判断し、泉佐野方面の職場から帰宅する途中で立ち寄ることができる貝塚駅周辺の整骨院を探されていたとのことで来院されました。
身体の状態を検査確認してみると、左短下肢となっており、腰部の屈曲及び伸展時に激痛があるとのこと。
それ以外の捻転動作や側屈動作では全く痛みがない状態。
そこで前屈してもらい、どの程度まで痛みがなく曲げることができるか確認してみると、

前屈はかろうじてできるものの、この角度まで前屈すると腰部に激痛が走るとのこと。
次に、後屈確認してみると、

ご自身でも笑いながら、
『これ以上無理~。前屈するよりも痛すぎる~』
とのこと。
痛みが出てきた経緯と、どの動きで腰部に痛みを生じているかで判断し、
『簡単に言えばぎっくり腰ですね』
とお伝えすると、
『えっ、ウソ~。おばあちゃんみたいやん』
とおっしゃられました.
ですが、実は高齢者の方がこのような経緯でぎっくり腰になる可能性は低く、高齢者の方がこのようなぎっくり腰のような症状を訴えておられる場合は、ぎっくり腰よりもまずは胸椎もしくは腰椎の圧迫骨折などを疑います。
ぎっくり腰いわゆる急性腰痛症になる原因には、重い荷物を持ち上げようとした時や、逆に重い荷物と思って持ち上げようとしたら全く重くない荷物で足元をすくわれたかのように軽すぎてギックリと痛める方もあります。
また、長時間猫背で座り続けていたり、足を組んで座り続けたり、座席が妙に硬かったり柔らかすぎたりして腰が痛くなってくることもあります。
さらに、ちょっとしたくしゃみや咳をした拍子に激痛が走ることもあります。
他には靴下を履こうとして腰を捻ってしまう場合もあります。
さらにこの方のように、こういった明確なきっかけがなく、朝起きようとした時に何気ない動作でも生じることがあるのがぎっくり腰の特徴ですが、夏場のこの季節に多いのが、
『エアコンによる身体の芯からの冷え』
さらに付け加えると
『湯船に浸からず、シャワーのみで済ませる』
ということがさらに身体を芯から冷やしてしまい、日常生活での些細な身体の動作でさえも仙骨が位置異常を起こし、ぎっくり腰のように腰を痛めるきっかけとなったりします。
そこで早速座位からSPB療法開始。
ぎっくり腰のような急性の腰痛でお困りの方は、仙骨の位置が正しい位置からずれているため、まず腹臥位つまりうつ伏せになること自体が困難で辛い場合が多いため、このような時にはまずは座位から主に仙骨の位置を元に戻す調整をする施術から始めていきます。
そして座位で仙骨の位置を調整して落ち着いた状態から、なれるようであれば腹臥位になってもらい、骨盤から背骨の歪みを矯正していきます。
腹臥位でさらに身体の歪みを検査確認してみると、

このように、左の足首と股関節に緊張があり、固くなっている状態。
ですので、おそらく仰臥位つまり仰向けになった時に股関節の屈曲やパトリック検査いわゆる4の字検査をすると腰部に痛みが走ることが可能性として考えられます。
案の定、仰臥位で検査確認してみると、右股関節の屈曲時、左パトリック検査時、股関節両屈時、腰部伸展時に痛みが走り、腰部過度伸展つまり反り腰まで確認できました。
そして仰臥位で腰部及び股関節の調整をして、再度立位での前屈検査をしてみると、

施術前に比べて地面に手がつくようになるまで前にかがむことができるようになりました。
さらに後屈検査を確認してみると、

『うウォー~、反れる』
とご自身が驚きながらぎっくり腰による腰痛が軽減して、後ろに反ることができるようになっていて驚かれていました。
そしてここまで後屈できるようになったところで施術終了。
可動範囲はたった5分程度でもここまで回復できますが、ぎっくり腰のような急な痛みの場合は炎症反応が残っている限り、しばらくすると時間とともにまた痛みが出てきます。
そのため、炎症反応を早く沈めやすく、早期回復のために腰部に保護テーピングを加療して終了。

ぎっくり腰のように急な腰痛でお困りの方は、まず自力歩行ができるかどうかが整体などの施術を受ける上で重要です。
例えば整骨院や整体院・カイロプラクティックまでぎっくり腰の治療を受けに行くまでに、自分で歩いて通院することができないほどの痛みで、ご家族やご友人に担いでもらいながらの通院では、炎症反応がかなりきつく出ている証拠なので、施術を受けてもほとんど気休め程度もしくは帰りも担がれて帰る程度にしか効果はありません。
自分自身でも経験がありますが、ごくたまにボキボキと腰の骨を鳴らすいわゆるディバーシファイドテクニックによって歩くこともままならなかったぎっくり腰の痛みが、
『施術後はすんなり歩いて帰ることができた』
ということがありますが、たまたま腰を捻って鳴らすと痛みがスっと引く場合がありますが、絶対的に痛みが引くものでもないため、当院ではボキボキ鳴らすようなことは一切しません。
ですので、まずポイントは自力歩行で整骨院や整体院まで通うことができる程度までは回復していること。
そして前屈や後屈の時のみ腰に痛みがあり、左右に捻ったり倒したりする動作では一切腰痛を伴わないぎっくり腰であれば2~3回程度の整体でほぼ痛みは解消されます。
ですが、後ろから見た時に背骨と骨盤がまっすぐの位置にないほど横歪みを起こしているぎっくり腰は、治癒までにはしばらく時間がかかりそうです。
今回、生まれて初めてのぎっくり腰を経験されましたが、痛みゼロまでしっかりと治療に専念し、全く気にならないレベルまで整えておけばよほどのことがない限り、何度も繰り返すような癖になることはないでしょうが、中途半端に腰に痛みが少し残っている状態で仕事やスポーツを続けると、ぎっくり腰がくせになり、なかなかしぶとい慢性的な症状になってしまうこともあるため、しっかりと痛みが解消されるまでは継続して身体をケアしておきましょう。