保険使えないの?じゃあいいです

昨日来院された看護師の方からの一言にハタと気づかされ、久しぶりにやる気をだして更新したいと思います。

最近当院に電話でお問合せ頂く方からの言葉で最も多いのが、
健康保険は使えないのですか?じゃあ保険のきく整骨院探します
というもの。

本日の訓練】JST訓練「職場での電話応対」 - アップル梅田
整骨院接骨院では確かに健康保険を取り扱った施術を提供することができます。
義務ではありませんが、施術を提供する側の整骨院としても、受診する患者側としても健康保険を使う権利があります。

ですが、整骨院接骨院健康保険を取り扱うことができるのは
「日常生活またはスポーツをしていたときに生じた急性外傷性のケガ」つまり「骨折」「脱臼」「打撲」「捻挫」「挫傷(肉離れ)」に対する処置を整形外科や他の整骨院などで健康保険を使った施術を並行して受けていないものに限られています。

健康保険制度というものは大変有難い制度で、国民全体で助け合う仕組みとなっているため、当然毎月健康保険料を数万円~数十万円と支払っている代わりに、いざ病気ケガで保険を使うことができれば自身のお財布事情は随分と助けられます。

私事で恐縮ですが、今年に入ってからはまだ病院歯医者さんへ通院は一度もしていないため、というより病院に関しては20年ほど遡ってみても耳鼻科へ3日程度通院したくらいしか記憶になく、それ以外は歯科へ10回ほど通った程度のため、毎月数十万円の健康保険料を支払っているにも関わらず使う分がわずかな我が家からすると当然もったいない気分になりがちではあります。



ですが我が家をはじめ、国民全体で健康保険料を支払っているおかげで、多額の医療費がかかる重病な方にとっては大変助けられている制度のため、「社会貢献」という観点からすれば
困っている人が自分の納める保険料で救われて良かった
と捉えることもできるでしょう。

2023年の医療費は46兆円以上にものぼり、毎年着実に増え続けているのが日本の医療費となります。日本人がおおよそ1億2000万人いるとしたら、一人当たり年間平均40万円程度医療にかかっている計算となります。
もちろん沢山使う人にとっては年間数百万~数千万円の医療費がかかっている方もあるでしょうし、我が家のように年間ほぼ使わないという家庭もあります。

仮に毎月の健康保険料が10万円としたら、一年間で120万円、20年間支払い続けると総額2400万円を健康保険料として支払った計算となりますが、そのうちの100万円にも満たない程度しか使わない我が家からすると、健康保険制度を廃止して自身で貯金していざというときに自腹で病院へ通うという選択肢が取れないものかと、なんだかモヤモヤした気持ちが晴れませんが、日本という船に乗っかっている以上、国民皆保険制度には従う他ありません。

当然、助け合いで成り立っている以上、使う人が少なければ医療費も少なくて済むし、使う人が多ければ当然一人一人の負担も増えていくのも言われなくとも分かる話です。
日本は今超高齢化社会となっているため、当然医療費が毎年最高を更新しているのは言うまでもありません。
高齢者ほど病気になりやすいのも当然ですし、転倒骨折などのケガをする高齢者も若年者に比べると多いのも当然と言えば当然のことです。

だがなんでもかんでも健康保険が利いて安く済むからと安易に病院通いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そして言われるがままに検査漬けに遭い、薬漬けに遭っている人を今までも幾度となく見てきているため、果たして本当に必要な医療が適正に使われているのか疑いたくなる事例も多々目の当たりにしています。

例えば血圧が高いからと病院で診断されて降圧剤を処方され、降圧剤を飲んでいると「めまい」が生じ始め、めまいを抑える薬を飲んでいると「胸やけ」が起こり始め、病院で検査してもらうと「逆流性食道炎」と診断され、それに対する薬を処方してもらって飲んでいると血液検査肝臓の数値が高いと診断され肝臓の薬を飲む。
そして
なんだか最近体の調子がだるくて疲れやすい。そうだ整骨院で健康保険使ってマッサージをしてもらいに行こう
という流れで整骨院整体を利用されている方ももしかしたらいらっしゃるかも知れません。
初めての整体に緊張する!!行く時の服装は?時間は何分前に行け ...

最近疲れやすくて肩こりや腰痛がひどくって、夜も寝づらくて・・・。健康保険で診てもらえますか?えっ、保険使えないの?じゃあいいです。他の整骨院探します
というような電話でのやり取りをするのが最近はアホらしく思えてなりません。

保険は確かに助け合いで成り立っているため、使えないよりは使えるほうが良いに決まっている。
卵1パック198円が、セールで同じ商品が98円で売られていたら、当然誰しもが安いセールの時に買うに決まっています。

問診徒手検査も体の状態説明も何もせず肩こり腰痛があるからといって低周波干渉波などの電気治療器を患部に当てて、ホットパック坐骨神経痛を生じているお尻に温かいものを乗せてもらい、足のむくみがあるからといってメドマーでふくらはぎをマッサージしてもらって、ローラーベッドで全身をほぐしてもらい、最後に10分くらい肩や腰を手揉みしてもらう、そしてお会計までにすでに肩こりがひどくなっている・・・。
でも健康保険が使えて安いから肩こりも腰痛も良くならなくてもまあいいか

どこへ行ってもこのような整骨院であれば当然卵同様に同じ施術や整体を受けるのであれば少しでも安くて保険が使えるならそのほうがお得ではあるかも知れません。
ですが、そんな安易な保険の無駄遣いをし続けていると、結局国民全体でその尻拭いをしなければならなくなるのがオチです。
それでも保険が使えて安いほうがいいでしょうか?

これは保険が「自分のお金ではなく赤の他人のお金」も含まれていることが大きく関わってきていると言えるでしょう。
自分の財布からお金を出すのは惜しくても、無料(という名の税金)なら喜んで何度も何度もワクワクキャンペーンに参加している方も見かけますよね。
3月いっぱいまででもう無料キャンペーンもそろそろ限界のため、メディアが慌てて第10Waveと言い出したり「JapaNo.1」とかいう日本が最も駐車好きをあざ笑うかのような変異株の名前がついたりしています。
本当に必要としているものであれば無料期間が終わっても自腹であっても利用するのが本来ではありますが、果たして4月以降どうなることやら。

当院では健康保険は取り扱いません。そのため、一般的に想像されている電気を当ててマッサージをするような整骨院接骨院ではありません。
また、日常生活やスポーツでの急性外傷性のケガに対する処置も斜め向かいに整形外科さんがあるため、そちらに通って頂くようお願いしています。
ですので、当院が診させて頂いている症状は、慢性的な肩こりや腰痛・坐骨神経痛や五十肩など、急性外傷性のケガに当てはまらない症状に対して、問診・検査・説明・整体・整体後検査・説明という流れでご提供しているため、健康に関して意識の高い方しか来院できない仕組みとなっています。

「それでも保険がいいですか?」
いま一度ご自身の病院や整骨院への通院を見直してみましょう。