言ったもん勝ちやから健康保険は扱いません

ゴールデンウイークに突入していて連休真っただ中という方もあれば、祝日は通常どおり仕事という方もありますが、当院はゴールデンウィーク期間中はカレンダーどおり祝日はお休み頂いておりますので、しばらく来院されていない方はお間違えないようよろしくお願いいたします。

長期連休期間となるとどうしても多くなるのが「交通事故
ゴールデンウィーク明けに交通事故によるケガで整骨院整形外科を利用される方も多いですが、交通事故による保険は扱っているため、まずは交通事故に遭われないように気をつけてもらいたいところですが、どれだけ自分が気をつけていても他人が引き起こした事故までは避けようがありません。
交通事故によるむちうちは、早期に回復しておかなければ、後々後遺症としてしぶとい腰痛首のコリなどを残してしまうこともあります。
早めに対処するようにしましょう。

交通事故によるケガによって整骨院を利用する場合、整形外科との併用通院は認められています。
ですが最近の損害保険会社は、
「整形外科へ通院するのは構わないが、整骨院へ通うことは認めていません」
と言われる悪質なケースが多発しており、交通事故の示談終了後にむちうちの後遺症として当院に来院されるケースも多く見られます。

交通事故後遺症でお悩みの方も当院では診させて頂いております。
えっ、でも交通事故のむちうちの後遺症は整骨院では保険で診てもらえないよね?
という声が出てきそうですが、
はい、自費診療です
一度示談終了してしまった交通事故によるケガの場合、後遺症が残ってしまったらどこにも文句を言っていくところもありません。
まずは後遺症が残ってしまわないよう交通事故治療中は治療に専念し、仕事や家事・育児が忙しいからと疎かにしないようにすることが重要となります。

さて先日、自転車に乗って飛び込みで来院された方が、
今から診てもらえますか?
とおっしゃられたため、あいにく当院は完全予約制のため、よほど空きがない限り当日の飛び込み来院はご予約を取って頂いている方のお時間を削ってしまってご迷惑おかけしないようにするためにも、後日改めてご予約取って頂くように促しており、お断わりするケースが多いです。
理由
①整骨院という看板が掲げられているため、慢性的な肩こりや腰痛でも健康保険が使えるところと思っている方が圧倒的に多いから

②本気でなんとかしたいという考えでない方が多いから

③予約制を嫌い、自分の隙間時間に通いたいと考えているから

上記3点がお断わりする大きな理由ですが、案の定
どうされました?
とお伺いすると、
腰痛が辛くって
とのこと。
その腰痛は怪我であれば健康保険の対象として整骨院で健康保険を使った施術を受けることができますが、いつから痛いんですか?
とお伺いすると、
ケガではないです。10年以上前からの慢性腰痛です
とのこと。
では慢性的な腰痛となるため、自費診療で1回5,000円でご利用頂けますがいかがされますか?
とお伺いすると、
健康保険使えないんですね。じゃあ健康保険使ってくれる整骨院探しなおします
とおっしゃられ、出ていかれました。
その後、貝塚市内のどこの整骨院へと向かわれたかは分かりませんが、上記のような説明を聞かれた上で他の整骨院を探しなおされるとのことでしたので、最低限他の整骨院へ向かわれた際には
ケガをして腰を痛めました
と回答されるのでしょうか?
もはやリテラシーの問題と言えるでしょう。
これは整骨院・接骨院側にも言えることですし、利用する患者側にも言えることです。

はたまた以前このような方が来院されました。
首が凝っているんですけど、診てもらえますか?

その方は予約制であることは認識されていましたが、なんとかして健康保険で安く受けたかったようで、
整骨院で健康保険が適用されるのは怪我の類だけですよ
とお伝えすると、施術後帰られてしばらくしてから一
そういえば、自分の首の凝った感じがするのは一昨日子供に逆立ちを教えていたら頭から落ちてそれから首が凝っているんです。健康保険使えないなら他の健康保険使える貝塚市内の整骨院に通いなおしますので、次回はキャンセルしてください
とのこと。
当然二度と来ていただかなくて結構だが、こんなこと言い出したら「ケガをした」と言えば整骨院・接骨院健康保険が適用され、「ケガではない」と言えば健康保険が使えないとなると、もはや言ったもん勝ちとなってしまいかねません。

はたまた東大阪市から当院に来院されている方がありますが、以前貝塚市が職場だったため今なお東大阪からお越しいただいていますが、退職後貝塚市までは通院が困難ということもあり、東大阪市の自宅付近の整骨院へ通って頂くよう促したところ、駅前の整骨院を受診したところ、
昨日ゴルフをして腰を捻って痛めたケガということにして保険請求します
と悪びれる様子もなく堂々と言われたそうで
なんで人生で一度もゴルフなんかしたこともないのに、ゴルフしたなんて嘘ついてまでし、健康保険で受けなあかんのや。ワシは長年の腰痛がひどくなると坐骨神経痛が出てくるから早めになんとか対処したいと思って来たのに、別に健康保険使えなくてもどうでもええのに
とおっしゃられ、それ以来2時間近くかけて当院まで足を運んで下さっています。

このように、大阪府下にある6756件の整骨院・接骨院のうち、果たしてどれだけの数が健康保険の取り扱える症状と取り扱うことができない症状をきっちりと分けて患者に説明し、提供しているだろうか?
おそらく結構な数の整骨院がケガでないものをケガをしたという体裁にし、健康保険で安く受けられるようにしているのではないかと思われます。

まず施術を提供している側である整骨院・接骨院
整骨院・接骨院で健康保険が適用されるものは、急性外傷性の怪我である骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷の処置のみであり、整形外科など医師の診断を受けていないものに限られています
ということをしっかりと患者側に明確に説明した上で、納得合意して施術を健康保険を使って受けているかどうかが大きなポイントとなります。
おそらくほとんどがしっかりと説明をせずに適当にしているから患者側の理解がないままになっているが故に
健康保険使えないなら保険の使える整骨院を探しなおす
などという言葉が出てくるのでしょうね。

このように「ケガをした」と言えば整骨院・接骨院で健康保険を使った施術を受けることができ、「ケガをしたのではない」と言えば健康保険が使えないとなると、悪知恵の働く者だけが安くお得に受けられるとなると、まさしく「言ったもん勝ち」となるため、当院では健康保険の取り扱いは一切しておりません。

ただし、上述したように交通事故によるむちうち治療と労働災害による労災保険は適用しております。
さすがに交通事故で追突された方が自作自演でわざと追突されるようなことはしないでしょうし、仕事中にわざわざケガを装ってケガをしたということにして労災申請するようなことはしないでしょうから、この二つの保険に関しては「被害者救済」を第一優先にするために保険を扱っております。
この保険すらも扱わなくなった時には「整骨院」という看板を下ろして「整体院」などの看板にしても良いかとは思いますが、今のところ「完全自費診療」ではなく、健康保険のみ取り扱わない整骨院となっております。