貝塚市で16年目を迎えました

3月9日で泉南市から貝塚市へ移転してきて「スッキリ整骨院」としてオープンして15年が経過しました。
2005年の1月18日に泉南市でオープンしてからですと19年が経過し、現在開業してから20年目となります。

この整骨院業界へ足を踏み入れてはじめて勤務したのが羽曳野市にある整骨院でした。
その整骨院は開業してから数年間はごく普通の整骨院だったそうですが、院長が深夜番組にお笑い芸人さんの足つぼを刺激するコーナーに出演したことがきっかけで、その後爆発的に噂が噂を呼び瞬く間に一日100人以上が来院される整骨院へと変貌を遂げたそうです。
メディアの影響力は絶大で、テレビや雑誌に掲載されたということが知れ渡ると、すぐに影響を受けてたちまち人気となったりしますよね。
先日、貝塚市にあるラーメン屋さんがほんの少しだけ番組で取り上げられたことがきっかけで、しばらく行列が後を絶たなかったそうです。
リトルの法則-待ち時間の推定-この行列は、あと何分、待たなく ...

当院にもそのような類の営業電話が先日かかってきていましたが、それはひと昔前のプロボクシング世界チャンピオンの取材営業というもの。
今までも竹原さんとか畑山さんとか、今回は西岡さんとか過去の有名世界チャンピオンボクシングに興味のない人には有名かどうかわかりませんが自分にとっては取材云々抜きにしてもぜひお会いしたいくらいの有名チャンプ)が
ぜひスッキリ整骨院さんを取材したい
というオファーは幾度となくかかってきますが、
せっかく貝塚来たんやから、〇〇の◇◇食べていきや
という番組のような突撃取材とかのようなものではなく、整骨院整体院業界に来るオファーは全てこちら側が芸能人のギャラを支払って取材に来てもらうものばかりのため、大阪府下にある整骨院ならどこにある整骨院でも整体院でもギャラさえ支払えば取材に来てくれ、
〇〇って芸能人が当院に取材に来られました
と握手を交わす画像をホームページに掲載したり雑誌チラシに掲載する権利が2年ほど得られるそうです。
するとたちまちそれを見た人が、
芸能人が通う整体院なら自分も通ってみたい
有名人が通ったことのある整骨院なら安心
と妄想し、たちまち来院される方が増えるというもの。
有名になろうと思えばこういったメディアの力を利用するのも一つの手段ではありますが、そういう手法に騙される人を集客したいとなかなか思えないため、やはり自分で様々な角度から情報を得て自分に合った整体院整骨院を選んでもらいたいものです。

そんなメディアの恩恵を受けて大流行りだったお世話になった羽曳野市にある整骨院も、近年の整骨院開業ラッシュの煽りを受け、また当時のオーナー先生が横領によって警察沙汰になったことが原因で今ではもう閉院してしまったそうです。

話は元に戻しますが、一年ほど羽曳野市の整骨院で修行させて頂いた後、岸和田市大阪市にある整骨院グループの一員として勤めながら専門学校にも通いながらの日々でしたが、専門学校時代にたまたま和泉高校野球部のOB草野球チームに人数不足のため駆り出された際、地面と喧嘩して右足首の骨折を患い、危うく卒業試験の実技科目が全くできない状態となり、あわや留年かと冷や冷やものでしたが、幸いにも勉学だけは励んでいたため、特例で卒業を認めてもらえました。

国家資格取得後、すぐに開業とはいかず、足の回復もまだ完全ではなく、また保険請求業務など全く知識も経験もなかったため、しばらく岸和田市整骨院でお世話になり、その後和泉市に分院長として任せてもらえるようになりました。

しばらく和泉市で受付も施術もレセプト(保険請求業務)も全て一人でこなす整骨院として軌道に乗って順調に進んでいた矢先、義父がジスト(ショーケンこと萩原健一さんも同じ病気だったそうです)という10万人に1人が罹ると言われている超難病でいつまで命が持つか分からないということが分かり、思い切って自分で開業する決心をしました。

妻とは関西学院大学時代からの付き合いで、大学卒業後は自分は秋田県へ配属となり、妻は東京都に配属となり、遠距離での付き合いだったため、
思い切って結婚したらいいんじゃない
と両親同士勝手に縁談を進めだしていたのも束の間、秋田県でのサラリーマン生活に馴染めず、逃げるようにして大阪に返ってきてからすぐに整骨院で見習いから勤めだし、一旦縁談も無かったこととなったため、どうしても義父が元気なうちに開業した姿を見せたいと必死に開業準備を進めました。

ですが開業目前の12月にとうとう帰らぬ人となり、自分で開業した姿を見せることができず見切り発車で開業したのが19年前となります。
当時は健康保険を使った一般的な電気治療器マッサージ(厳密には国家資格であるマッサージ師しか使えない用語ですが、あえて分かりやすくするために使っています)や背骨骨盤をボキボキと矯正したりストレッチをし、腰痛肩こりなど体の不調を患っている部位を中心とした施術を提供していましたが、駐車場不足で近隣にご迷惑をおかけしたり、あまり便利の良い立地ではなかったため、また一人治療院ではなかなか思うようなスタイルで施術を提供できていない不満から、2009年の1月末までで一旦閉院し、2月中に貝塚市へ移転してきて2009年3月9日にオープンしました。

貝塚市へ移転してきた時にはスタッフを雇用し、数年間は健康保険を取り扱った整骨院として施術を提供しておりましたが、民主党政権時の事業仕分けによる健康保険に対する取り締まりが強化されたことがきっかけで、レセプトがどっさり返戻されたため、そのころから健康保険に対する認識を再度見直す大きなきっかけとなりました。

整骨院・接骨院での健康保険診療に対する認識としてどのように捉えていたか?
①急性と慢性だけでなく、「亜急性」というものも急性症状の範疇として良いという認識
「急性」は急に進行する症状であり、「慢性」はゆっくりと進行する症状であり、「亜急性」は急激ではないものの、徐々に進行して悪化していくものであり、慢性的な症状であっても徐々に悪化傾向であれば亜急性として健康保険の対象として捉えることができるという考え方。
これはこの整骨院業界で働いていると、当たり前のように慢性症状であっても亜急性症状へと向かっているようであれば健康保険の対象と見なして構わないという悪しき教育がは未だに蔓延っていることが大きな問題でもあります。

②整骨院では健康保険を扱った施術でなければ誰も利用してくれないという思い込み
自分で開業するまで健康保険診療を提供する整骨院でしか働いたことがなかったため、自費診療一本で施術を提供する整骨院を経験したことがありませんでした。そのため全面自費診療へ移行することなど到底できないだろうという思い込みがありましたが、東京で自費診療のみで受け付けている整骨院の先生を見て、自分にも可能であるということを学んだため今に至っております。

③健康保険で安く提供するほうが患者さんの負担が少なくて済み、家計を助けられるという偽善者意識
先日もYouTubeで見ましたが、本格派コーヒーが一杯100円と190円と300円のうち、どの価格が最も売れたかという調査をしたところ、300円のコーヒーが最も売れたそうです。
これはコーヒーの例のため整体業とは異なりますが、あまりにも安く施術を提供すると「良くならなくて当たり前」という意識が働くのは経験上言えることです。

健康保険を使った施術を完全に取りやめてから10年近くとなりますが、当院が目指すものは「予防」。
慢性的な肩こり腰痛がだんだんと亜急性に進行し、急な寝違いぎっくり腰を何度も繰り返している方や、長年の神経痛や全身の痛み疲労感など、そもそも痛みや不調を生じるパターンとしては2パターンに分けられます。

まず一つ目は整骨院・接骨院で本来健康保険を使った施術として提供して正々堂々と保険請求をすることができる「急性外傷性のケガ」。
つい先日まで何もなかったのに、
今朝自宅の階段で足を滑らせて腰を強打した
とか、
昨日自宅に届けられた段ボールを持ち上げようとして肩を捻った
などという明らかな急性外傷性の怪我というもの。

もう一つは、それこそ亜急性と言われるように急性ではないものの、徐々に悪化していく「慢性的な症状」。
今までも腰痛はあったけど、ここ数カ月座りっぱなしで仕事していることが多く、最近は足まで坐骨神経痛が出てきた
とか、
長年の肩こりや首コリがあったけど、今年に入ってからなんだか肩関節の動きが鈍くなってきて腕を挙げるのが辛くなってきた
などという怪我の範疇とはならないもの。

当院に来院される方全員にお伺いするのが、
この腰の痛みってケガですか?
この寝違いってケガですか?
というもの。
誰一人として「ケガ」とは言わない。

怪我をしたという認識がないにも関わらず、保険診療を提供するには無理がある。
一方で、交通事故むち打ちや仕事中に腰や肩を痛めた方いわゆる労災は「ケガ」だという認識がはっきりしている。
そのため、交通事故による自賠責保険労災保険においては当院では「被害者救済」を第一優先としているため取り扱っています。

交通事故による自賠責保険労災保険で通院されている方は、いわゆるケガのためある程度腰や肩の症状が解消されてきたら「治癒」もしくは「中止」という転帰をつけて終了するのが一般的です。
ですので、怪我の場合はある程度の期間で治ってしまえば治療も終了となりますが、慢性的な症状やそれが進行し続けて悪化傾向に向かっている亜急性症状の方々は往々にして再発を繰り返すケースが多いです。
そのため、当院に来院当初は頭痛を伴うひどい肩こりや重度の慢性的な腰痛・夜も眠れないほどの夜間痛を伴う五十肩や歩くこともままならないほどの坐骨神経痛など、様々な症状で悩まされていたのが、しばらく通院しているうちに少しずつ解消されてきて気にならない程度となってきた段階になってはじめて「予防」というものに注力してもらっています。
そうしないと何度も繰り返しぎっくり腰を繰り返して癖になってしまったり、何度も五十肩みたいな痛みを繰り返して肩をうごかすことも憂鬱になってしまったり、ひどい変形性膝関節症となってしまったりするからです。

逆に、定期的に適度な整体を繰り返しているほうが
今まであれだけ何度もぎっくり腰を繰り返していたけど、今では全然しなくなった
とか、
あれだけ毎年だんじりシーズンに患っていた膝痛が、今では全然痛くならなくなった
というようにここ数年痛みや不調で悩み続けずに予防できているという方が当院では数多くいらっしゃいます。

「治療は大事」でも「予防はもっと大事」
だとこの19年間で最も痛感していながら20年目に突入となります。