マスクが先で5類が後?

卒業式シーズンや受験シーズンも終わり、4月から新学期・新学年の始まりとなります。
無事小学校や中学校を卒業されるご家庭は新たな進路に向けて4月より楽しみですね。
3年ぶりのmaskを外しての卒業式というご家庭もありましたが、まだまだ子供たちは卒業式の場で外して良くても、校歌などを歌う時には着用させられ、親御さんたちは咳一つもせず会話もしないにも関わらず着用を促されている状況が大半だったと思います。
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そして波風立てることを嫌う国民性である日本人は
「みんながそうしてるんやから周りに合わせて無難に済ませよう」
という、小学校時代からきちんと植え付けられてきた「前に倣え」精神が働き、決して他人とは異なる考えや行動をしないように、例え自分の意思が正しいと信じていたとしても、周りと同じ行動をとることが美徳とされてきているため、違う行動をとると変人扱いとなるため、誰一人文句も言わずにmaskを外さずに過ごしてこられたかと思います。

せっかくの思い出の卒業式をせめてmaskなしで全員の顔が見える形で迎えたいという思いがある反面、当の卒業生の中には
「入学時からずっとしていたものを今さらみんなの前で外すなんて恥ずかしくてできない」
という方もいらっしゃるようです。
まるで下着と同様の扱いです。
そのため「口パンツ」というような名前がついたりしましたが、欧米など諸外国ではコロちゃん騒動を生じた際に、あまりにも感染する人が少ない日本を見て
「口パンツしているから少ないのだ」
という憶測から、パンデミックをなんとか抑え込もうとして口パンツを推奨していたにも関わらず、国民性からなのかなかなか着用する人が増えず、無理にでも義務化しなければ着けようとしない有り様でした。

一方、日本では以前から冬場の寒い時期や花粉症の季節にmaskを着用することが当たり前のようにされてきたため、maskを着けることにそれほど抵抗を感じることなく、一度も義務化されたこともないにも関わらず、わざわざ一般人が警察官のように取り締まるまでに発展しました。

ですが、そんなmaskも3月13日からは着用するのも外すも個人の判断となりましたが、コロちゃん騒動以来一度も義務化されたこともなければ努力義務ですらもなく、あくまで推奨(おススメですよ)レベルだったため、最初から個人の判断だったのですが、なぜだか理由も分からずなんとなく義務化されてきた3年間でした。
対数日前に貝塚市から来院されている方に
「maskってずっと任意って知らなかった。義務とばっかり思ってた」
という方もありましたが、義務と思っておられる方も中にはあるようです。

先日、たまたま大阪市内へ仕事の関係で出かけることがあったため、久しぶりに南海電車でなんばまで乗っていきましたが、1車両の中に一人か二人ほどmaskを着用していない方がいらっしゃる反面、それ以外の方は徹底的にmaskを着用している状態でした。中にはやはり2重着用者もちらほらと散見されました。

打ち合わせ後、淀屋橋からなんばまで徒歩で久しぶりに御堂筋を歩きましたが、外国人観光客らしき方々はほぼmaskを外して観光しているにも関わらず、スーツ姿のビジネスマンたちはほとんどmaskを着用しているのが異様な光景でした。

ところで、maskが感染予防にどれだけ効果があるかを示したデータをなかなか見かけない中、ようやく質の高い医療情報の発信で世界的に定評のある「コクラン」という非営利団体が、ウイルス感染症に対するmaskの有効性を検討した研究論文を発表したそうです。そのコクランという団体が発表した結果としては、maskによる予防効果に大きな差は認められなかったとのことですが、もはやここまでくると日本人がほぼmaskを着用しているのは予防効果を期待しているのではなく、周囲の目を気にしているがために着用しているというのが本音ではないでしょうか?
その証拠に、当院に来院している方にも多数感染された方が出ましたが、全員に質問しても返ってくる言葉が
「自宅以外ではほぼmaskを外してませんでした」
とおっしゃられます。

このことからも分かる通り、日本国民は感染することに恐怖を覚えているのではなく、人間が生きていく上で感染してしまうことはある程度仕方がないことと容認しながらも、他人から叩かれることに恐怖を覚えている方がほとんどです。
そう、maskやアクリル板を設置したりすることによって防ぐことができているのは、少なくともウイルスではなく他人からのクレームであったということに最近ようやく気付かされています。

「maskを着けていたにも関わらず感染したら許してもらえ、着けずに感染したらこっぴどく怒られる」

「消毒液を置いていて一人一人に手指消毒するよう促せばクラスターが発生しても許してもらえ、消毒液を設置していないと叩かれる」

「混雑しているお店でソーシャルディスタンスのアナウンスを流していれば許してもらえ、芋の子を洗うようにダダ混みでクラスターが発生すれば叩かれる」

「お駐車3回以上していればゴーツー使えるが、2回ではゼロと同じ扱いを受ける」

このように周りから責められないようにするためにわざわざアピールするためにmaskをしたり消毒したりアクリル板をしたり換気したり・・・。
自分だけはちゃんとやっていますアピールが得意な日本国民の素晴らしいところでもあり、また厄介なところでもあるため、
maskを外すタイミングとしては、
「パンデミックが収束しましたよ」
というアナウンスがなければなかなか行動に移せないのではないのでしょうか。

ですので外すことよりも先に2類相当という大変恐ろしい感染症という位置づけを季節性インフルエンザなどと同様の5類扱いとし、罹ってしまっても一般の個人病院レベルでいつでもすぐに診てもらえるようになれば、皆安心してmaskを外す人は外すであろうし、やっぱり不安だから着けていたいという方は着けるという、本来政府が言う「任意」となるのではなかろうか。

ですが、5類にするのはゴールデンウィーク明けにも関わらず、maskだけ先行して外しても良いと言われても外せる訳がない。
着ける根拠がパンデミックだったのであるから、外す根拠も収束宣言が必要である。
maskが先で5類が後では本末転倒です。