蚊が媒介する感染症

前回のブログに書いた「内閣感染症危機管理統括庁」というやたら長ったらしい政府官庁が募っていた「パブリックコメント」ですが、当院に来院されている方に一通り確認してみましたが、誰一人としてこの官庁の存在すら知らないという方ばかりだったため、そんな知らないところが募ったコメントなど当然知る由もありません。
ですが、全国からは19万通ものコメントが届いていたそうですので、今回のコロちゃんのパンでミックに対する対策そのものに疑問や不信感を抱いている方がいかに多いかということが窺えます。
本当に国民に広くコメントを募りたいのであれば、テレビなどの報道を通じてもっと周知することが望ましいですし、先日ポストに放り込まれていた「経済センサス・基礎調査」や「国勢調査」のように各世帯に書面で配るも良し、QRコードを読み取ってインターネット上でアンケートを募るも良し、この数年間やってきた観戦対策にどれだけの効果があったのかをしっかりと検証し、それを踏まえて次のパンでミックに備える対策案に対してアンケートを募集するというのであれば納得できるものの、何の検証もしないまま次の対策案を講じてもまた同じことの繰り返しとなりかねません。
数年前に対策の一つとして行われた「居酒屋の夜間営業停止」については、実は100年ほど前にあったスペイン風邪が日本で蔓延した時にも同様のことが対策として実施されていたというのですから、昼間の居酒屋で酒を呑むのは大丈夫で夜の居酒屋で大声で騒ぐことが広まる原因となっているという訳の分からない根拠がいかに原始的で100年経っても何ら進歩のない観戦対策であったかがよく分かります。
コロ助は鬼と一緒で昼間は出てこんのか?
と言いたくなる対策でしたね。

さて、先週から真夏のように急に暑くなったり朝晩急にひんやりと肌寒く感じる時間帯があったりして、
また風邪ひいたみたいで熱があるのでお休みします
というご連絡を数名の方から頂いたため、体調を崩しやすい季節となりますが、これからだんだんと暑くなってくる季節となります。
この季節に寝室で寝ていて明け方に耳元にやってきて目を覚まされるとても厄介な存在が「」。
が最も活発に活動する気温が25度~30度と言われており、まさにこれからの季節がにとっては動きやすい季節となります。


最も人類が脅かされている感染症が実は「」なのです。
蚊が媒介する感染症にはいくつか挙げられます。
①デング熱
これは皆さんも聞いたことがあるかと思います。日本でも10年ほど前に東京の代々木公園を中心にデング熱が広まり、100人以上の方が感染したそうです。
デング熱とは、デングウイルスというウイルスに感染することで発症します。症状としては発熱筋肉痛発疹などを伴うそうですが、ほとんどは1週間ほど安静にしていれば自然治癒するそうですが、まれにデング出血熱と言われる重症化する例もあるとのことです。
ほとんどが東南アジアや中南米などの熱帯地域で流行し、日本ではそういった流行地への旅行などによって感染した方が帰国して広めることがあるとのことですが、近年では日本そのものが熱帯地域化してきているため、今後は日本でも流行地となる可能性があります。

②チクングニア熱
これはほとんど聞いたことがない感染症だと思いますが、チクングニアウイルスによって広まる感染症でこちらも蚊を媒介して広まる感染症となります。「チクングニア」とはアフリカの現地の言葉で「かがんで歩く」という言葉が由来だそうで、発熱関節痛がかなりきつく症状として現れるため、そのような名前がつけられたそうです。

③ジカウイルス感染症
こちらもあまり聞きなれない名称ですが、ジカウイルスに感染することで引き起こされる感染症ですが、無症状なことも多く、発症すると発熱や痒みを伴う発疹関節炎結膜炎などの症状が現れますが、数日から1週間ほどで自然治癒することが大半だそうです。ただし、妊婦さんが感染すると先天性小頭症を来す恐れがあります。

④日本脳炎
日本というだけあって馴染みがあるでしょうし、予防接種も皆さん大体しておられるかと思います。感染してもほとんどは無症状であったり軽症だそうですが、1000人に1人くらいの割合で脳炎を発症するそうです。我々が幼少期は家の近くに家畜小屋が散見されたため、日本脳炎ウイルスを持っているブタを刺した蚊が媒介して人を刺した際に感染することがありましたが、今はほとんど家畜小屋を見かけなくなったため、そもそも日本脳炎に感染する方も聞かなくなりました。

⑤ウエストナイル熱
こちらも聞いたことない方のほうが多いでしょうが、こちらも感染すると発熱関節痛筋肉痛などをはじめ、発疹リンパ節の腫れなどを生じるとのことですが、8割が感染したとしても無症状で、残りの2割が発症はするものの、ほとんどが1週間程度で自然治癒するとのことです。

⑥黄熱
こちらもアフリカや南米でしか発生していないため聞きなれない感染症ですが、ほとんどが無症状で発症しても発熱頭痛程度で数日で自然治癒するとのことです。

⑦マラリア
これは聞いたことがある方も多いと思いますが、主に熱帯地域へ旅行などで出かけて帰国した時に感染・発症される方が日本国内でも50人程度は症例があるそうです。

このようにが媒介する感染症はいくつかありますが、どれもそれほど重症化するケースは少ないようですが、全く重症化するわけでもないため、一番はに刺されないようにすることが大切ですが、とはいうもののに刺されたことがない方を見つけるほうが難しいくらいなため、完全に防ぐことは困難です。

自分自身でできる対策としては、
①なるべく肌を露出しないようにする

②蚊の嫌がるスプレーなどを肌に塗っておく

③足裏を清潔に保つ

④自分自身の免疫力を高めておく

どれも当たり前すぎる対策ですが、これらのごく当たり前の対策を何ら講じることなく
蚊を媒介する観戦症が世界中で広まっております。これはまさしくパンでミックです
と報道されたりすると、また招待状が自宅に届き、何も疑うことなく製薬会社が作り出した人工免疫向上液を体内に注入してさえいれば大丈夫などという変な安心感だけを得て、そして撃ったにも関わらずかかったりすると
なんでやろ?でも重症化せずに済んで良かった
などという意味不明な安心感だけ得られるという結果に終わってしまいます。

100年前は戦争中だったため、
「撃て、撃て」
と鉄砲を持って敵地で撃ちまくっていたでしょうが、今は形式が変わっただけで、結局は
「撃て、撃て」
と言われてお国に言われるがままとなっていることには何ら違いはありません。

デマ・誤情報・陰謀論として今後は
削除します
ということが上記に挙げました内閣感染症危機管理統括庁が提案している法律案に盛り込まれていましたが、そうなるとこのブログもそういった類の内容と扱われて今後は削除対象となりそうです。

蚊を媒介する感染症にはいくつかあることを書きましたが、どれをとってみても大事なのは
自分の免疫力
となります。