基準値次第の高血圧

あれ?いつの間に変更されたん?
ということってよくあることですよね。
気がつけば法律が改正されていたり、基準値が変更されていたりして、つい惑わされてしまいがちですよね。
アイエッチアール改正は正式に決まったとのことです。→https://news.yahoo.co.jp/articles/ebd11f5438f66b210e846ae267a580b7dc9eefbd
Whoの好き放題にパンでミックと言ってはワクワクキャンペーンが開催され、また気がつけば7回も8回も日本以外ではどこも撃っていないだけの打撃が行われるのでしょう。

さて、そんな中でも今年の4月から気がついたら変更されていたというのが「高血圧の基準値
今までは収縮期血圧つまり上の血圧が140mmHg、拡張期血圧つまり下の血圧が90mmHg以上の方は高血圧症と診断され、降圧剤が処方されていたのですが、あまり大々的に報じられることなく気がつけば収縮期血圧が160mmHg、拡張期血圧が100mmHgへと変更されていました。


イギリスでは2019年にこの基準値を変更したそうですが、その後5年引っ張るだけ引っ張ってようやく英国や世界的な基準値に仕方なく合わせたのかも知れませんね。
えっ、血圧145mmHgで高めやからって薬処方されてるけど、自分は一体どうすれば・・・?
200mmHgなどというように、思いっきり高血圧であれば薬を処方されて毎日飲んでいるのも納得できるかも知れませんが、中途半端な140~150mmHg程度の方で何年も飲み続けてきた降圧剤は今後一体どうなってしまうのでしょうか?
「一度飲みはじめたら一生辞められない」
という脅し文句は耳にしたこともあるのではないでしょうか?
去年までに150mmHgで高血圧症と診断されて降圧剤を処方された方は一生呑み続け、今年の4月以降で150mmHgの血圧なら要経過観察となると、血圧差別が起こりそうです。

最近読んだ書籍にこんなのがあったのでご紹介します。


政府にとって都合の悪いことを言い出す科学者は、先月京都にある国立の大学から干されましたが、いくら科学的医学的に正しいことを言ったとしても、それが政府にとって都合の悪い内容であれば排除されてしまうというのが、この民主主義国家日本の特徴となります。
つまりメディアに出演している専門家科学者と言われるような立場の方は、政府にとって都合の良いことを発信してくれる方が大半なのかも知れませんね。
そして本当の意味で正しい情報を発信している専門家科学者たちは、このコロちゃん騒動の中ではテレビにお招きされること自体がほとんどなかったでしょうから、主にYouTubeやニコニコ動画などを通じて発信されている方が多かったように思います。

今からおよそ25年前、整骨院にはじめて見習いとして修業に通いだした頃、肩こりがきっかけでよく来院されている方から冗談話でこんなことを聞いたことがあります。
血圧は自分の年齢に90~100くらい足したくらいでちょうどエエねん
という言葉。
そんな自分勝手基準なんかホンマにあるんかいな?
と思っていましたが、実際上記の本の中にもこのように血圧の基準値の推移が載っていたのでご紹介します。

確かに1972年あたりまでは最高血圧が年齢+90と書かれており、つまり60歳の方の場合、60+90=150mmHg以上を高血圧症とし、それ以下は健康という扱いだったため、当時高血圧患者数は100万人以下だったそうです。

それが1987年に180/100以上を高血圧症と基準が明確になったため、1972年当時より高血圧症患者は170万人ほどと増えたそうです。

その後1999年頃から140/90以上と基準値を大幅に厳しくしたがために、1987年当時に比べて9倍もの1,510万人が高血圧症と診断されるようになりました。

ここ最近ではお茶のCMなんかでも煽りまくっていましたが、2008年頃から130/85mmHg以上とし、適正な血圧基準値を120/80などととんでもないくらい厳しめの基準値としたところ、4300万人が高血圧患者と言われるようになり、国民の3人に1人が高血圧患者となってしまっていたのが現状となります。

当院に来院されているご高齢の方の大半が降圧剤を処方されていますが、よく耳にするのが
夏場になるとフラフラとしてしんどい
とか
なんか最近力が踏ん張れない
ということをおっしゃられ、結果として転倒し、大腿骨骨折顔面骨折などの大怪我で寝たきりとなり来院されなくなったというような方が以前ちょくちょくありましたが、そのような方の血圧を夏場に計ってみると、90/50mmHgというとんでもないほど低血圧となってしまっている方が結構いらっしゃいました。
夏場になると気温の上昇に伴い、体温調節をする上で血管は拡張し、血圧は自然と下がるからです。

もちろんお医者様が処方しているお薬のため「飲め」とか「飲むな」とかは一切口出しできませんが、高血圧症と診断されながら降圧剤を処方され、気がつけば思いっきり低血圧となってしまっている方を幾度となく見てきているため、降圧剤を処方されている方でも、最近フラフラするようなことがあるようであれば、一度かかりつけのお医者様に相談されることも大切です。
でも薬のこと相談したくても病院の先生忙しいからかまってくれへんし、そもそも嫌われて今後一切お薬を出してもらえなかったら嫌やからやっぱり飲んどく
とおっしゃられて、その後ふらつきによって転倒し大腿骨骨折を患い、当院に通院不可となった高齢者を幾度となく見てきているため、そこはご自身の体のために親身になってもらえる医師との信頼関係となります。



日本は世界的に見ても圧倒的に医薬品の使用量が多いため、先進国の中でも平均寿命は断トツの1位であることからも医学の進歩があるからこそ・・・と言いたいものの、医薬品使用量世界一位のギリシャにおいては平均寿命は世界28位、医薬品使用量3位のアメリカは40位のため、薬の使用量が多いから長生きしているという因果関係は残念ながら認められません。

一方、寝たきり人口世界一位は断トツで日本というから、これは医薬品使用量が世界2位だけあって寝たきりで食べれなくなったとしても施設や病院で胃ろうや点滴などで最低限度の栄養は取り入れることができるため、さすが医療大国日本・・・と言いたいところですが、

日本人の寝たきりになる主な原因として、脳血管疾患(脳卒中)、次いで認知症、そして骨折・転倒となっています。
血圧が高いということは、それだけ体の隅々まで全身に血液を行き渡らせる必要性があるから血圧が上がっているのであって、それを強引に下げると心臓よりも高い位置に普段ずっとあるの隅々への血液循環は当然緩やかになります。
ということは脳の血液は流れが緩やかになった結果、血液はドロドロとし、さらに追い打ちをかけるように高齢者に限って喉の渇きが緩慢なため水分不足に陥っており、最終的に脳血管疾患によって寝たきりを引き起こしているのではないかとも考えられます。
認知症によって寝たきりを引き起こしているのも、降圧剤により脳への血液循環が疎かになった結果引き起こしているのではないかとも考えられます。
骨折・転倒によって寝たきりを引き起こしているのは、上記に挙げた事例から考えられます。

沖縄の離島で自立して畑仕事をして生活している100歳以上の高齢者のほとんどは、最高血圧が200mmHg以上あるそうです。
沖縄でも離島であれば周りに病院がないため、高齢者であっても頻繁に医療を受けていないはずですし、そもそも血圧なんて「ナンクルナイサー」とどこ吹く風やらなのかも知れません。
果たして高血圧は下げたほうが良いのか?それともそのまま自然に任せておくほうが良いのか?
謎は深まるばかりです。

高血圧と合わせて肩こり首コリがある方は気をつけましょう。
高血圧症の方は肩こり頭痛を伴う首こりがあることが往々にしてあります。
首には「頸動脈洞」と言われる、脳へ送る血流量をキャッチして血圧をコントロールしているセンサーがあります。
ということは、肩こり首コリ整体マッサージなど体のケアをすることによって少しでも解消しておくことで、そのセンサーの働きを正常に保ち、結果血圧の管理へと繋がるとも言えるでしょう。

それにしても、血圧が高いだの低いだのと言って日々の血圧をコントロールしようとして思い悩んでいるのは、地球上の生き物でも人間くらいなものです。
ちなみに他の哺乳動物で比較してみると、ウサギは110、犬は112,ネズミは113、牛は160、ブタは169、猫は171、象は240、キリンは260程度の血圧があるのだそうです。
キリンは首が長い分血圧が260ほどあるのはある程度妥当性があると言えますが、人間よりも体の小さな動物でも人間の血圧と変わらないくらいはあるというのですから驚きです。
小動物たちが、高血圧が原因で人間より寿命が短いのかどうかは獣医師の知るところとなりますね。