ガンダムは悪玉も人気だけど・・・

自分が子供の頃に流行ったものの一つに「機動戦士ガンダム」があります。
よく愛媛県へ帰省した時に従兄にプラモデル屋さんに連れて行ってもらい、様々なガンダムプラモデルいわゆる「ガンプラ」を作ったことを今でも覚えています。

そんなガンプラが今なお人気ホビーとして売れているし、個人的に今でも時々作ったりして楽しんだりすることもあったりします。
先日も泉南イオンへ買い物に行ったついでに、2階に新しくオープンしていたお店にガンプラがぎっしりと並んでいたため、ついつい購入してしまいそうでした。

主役のガンダムからはじまり、ガンキャノンガンタンクといった脇役、さらには悪役のシャー専用機からドムザクズゴックに至るまで、悪玉ですらも人気であるところがガンプラの素晴らしいところでもあります。

なぜ悪玉までもが人気を博しているのか?
それは悪玉であっても全てにおいてシルエットと言い、デザインと言い、純粋に「カッコいい」からなのでしょう。
悪であってもカッコよければつい欲しくなってしまうのが機動戦士ガンダムの素晴らしいところであります。

同じような善悪でも、完全に悪はいけないと刷り込まれてしまっているものの代表例が「悪玉コレステロール」と言えるでしょう。
一般的にコレステロールには「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」の二つに分類されます。
善玉」と聞くと良いイメージで、「悪玉」と聞くと悪いイメージで捉えがちですが、本来「善玉コレステロール」の役割は、主に血管壁に溜まったコレステロールなど全身で余分なコレステロールを回収し肝臓へ戻す役割を果たしています。一方、「悪玉コレステロール」の役割は、肝臓で作られたコレステロールを全身に送る役割を果たしています。
そもそも、人間の体は60兆個もの細胞でできていると言われていますが、この細胞の表面である細胞膜を作っているのが「コレステロール」となります。
ですので「善玉コレステロール」も「悪玉コレステロール」も人間の体を形成する上で重要な役割を果たしており、どちらも必要なのです。

ですがイメージだけが先行しているため、スーパーの食品コーナーに並んでいる「悪玉コレステロール値を下げる」とか「コレステロールの気になる方へ」などという商品が飛ぶように売れたりしているのです。
そんな食品コーナーの売れ行き商品だけに頼っていてもなかなか下がらないコレステロール値が、毎回血液検査によって引っかかる場合には、とうとう医師からこのように脅されて薬を飲むこととなります。
このままコレステロール値が高いと、動脈硬化になって心筋梗塞や脳卒中になったりしたら大変ですよ」と。

そしてコレステロール値を下げる薬の代表例が「スタチン」というもの。
このコレステロール値を下げる薬によって引き起こされる副作用で最近問題となっているのが「横紋筋溶解症」と言われるものがあります。
上記に書いた通り、コレステロールは一つ一つの細胞の表面である細胞膜を形成する上で必須となるため、そのコレステロールを下げることで副作用として筋肉細胞が脆くなった結果として筋肉痛がひどくなり、最終的に筋肉の組織そのものが溶けてくるという副作用が問題視されています。
その他にも糖尿病うつ病蕁麻疹不眠症脱毛便秘かすみ目なども挙げられますが、「年のせい?」と勘違いしやすい副作用が多いため、腰痛肩こりなど筋肉痛のような症状が辛いからといって湿布を貼ったり、はたまた整骨院整体院マッサージをしてもらったりするのです。その他に抜け毛がひどいから発毛剤、眠れないから睡眠薬糖尿病と診断されインシュリンなどと、気がつけば薬の副作用を薬で抑えようとして薬漬けとなっているようなことが往々にして見られます。

コレステロールを下げる薬が発売されはじめた1990年頃からの心筋梗塞などのデータはどうなっているかを下のグラフを見てみると、

どう見ても薬によって心筋梗塞などのタヒ数が減らされているようには見えません。むしろ薬発売以後、増加傾向にあります。
しかもコレステロール値を下げる薬を飲むことでガンになる可能性があることも最近では問題視されています。
特に薬によってコレステロール値を180程度にまで下げた人たちにがんが急増していることも分かっているそうです。
正常で健康な細胞の生まれ変わりを、コレステロール値を下げることによってその生まれ変わりを妨げる訳ですから、当然不思議ではありません。

ですが多くの方は自分自身で何も調べることなく、ただただ「お医者様は神様」とばかりに崇め奉り、血液検査の数値が10代や20代の元気で健康な若者の検査数値と同じ範囲内でなければすぐに「異常な病人」として扱われ、出された分だけお腹いっぱいにお薬を飲んでいるというなんとも悲惨な状況です。病気のエキスパートである医師は薬のエキスパートではありません。薬のエキスパートは薬剤師です。
にも関わらず、日本の医療の世界はカースト制度と同様に、医師が右を向けと言うと、看護師や薬剤師は右を向くしかありません。ましてや整骨院や鍼灸院などにおいてはさらに下の下の下のため、どれだけ医療が間違ったことをしていたとしてもそれにたてつくことなど到底できもしないのです。

そもそも「薬」というものが開発された経緯には「光学顕微鏡」の存在があります。
光学顕微鏡でプレパラートの上に乗せた菌を観察し、どのような物質を投与すればその菌がやっつけられるかを発見した結果、薬というものが開発されました。これは紛れもなく人類にとって素晴らしい発明であったのは確かです。
その証拠に、ひと昔前までは「結核」に罹ってしまうと治療の施しようがなくタヒも同然として扱われていましたが、今では結核も全然治る可能性のある病気となっており、すぐタヒに直結するものではなくなりました。
まさに医学の進歩によって人類が結核菌を克服した良い例だと思います。

ですが今の医学というものは全くおかしな方向へ進んでしまっています。
頭痛がするからと頭痛薬が開発され、腰痛がひどいからと経皮薬が開発され、何でもかんでも症状ありきで「対症療法」なるものばかりとなってしまっており、根本的な原因を何一つ突き止めることなく薬の開発のみが先行しています。
整骨院整体院なども同様のことが言えるかも知れませんね。
腰が痛いから腰に低周波を当てる
肩こりが辛いから肩をマッサージする
などのように体全体ではなく局所でしか施術しないところもあります。

なぜ年齢とともにコレステロール値が上がるのか?
そう考えたりはしないのでしょうか?年齢とともに新陳代謝は低下してくると考えるのは至って普通のことだと思いますがいかがでしょうか?
そして新陳代謝が低下するということは細胞の入れ替わりも若い頃に比べると低下してくるため、細胞膜をなるべく若々しく保つためにコレステロールを上げることでなんとか細胞の入れ替わりをスムーズにしていると考えると、コレステロール値をむやみやたらと下げると細胞の入れ替わりも悪くなり、結果としてが増えるだけでなく、老化そのものを速めてしまうのも納得のいく話です。

目に見える数値や自覚症状だけに囚われてしまい、見えないところや自覚症状が気にならないところに蓋をしてしまっていると、思わぬところで他に影響を及ぼすことも多々あります。 
例えば、当院に来院されている方の中には、以前五十肩の既往歴があり、腰痛がきっかけで来院された方の肩の可動域を検査してみると、明らかに過去の五十肩による痛みはないものの可動範囲が減少しているということは往々にしてあることです。
ですが、痛いのがだからと言って、だけを揉んだりほぐしたり叩いたりマッサージしたりボキボキしたりと、自覚症状のある場所だけに囚われてしまっていては、例え腰痛が一時的に楽になったとしても、今度は肩こりがひどくなったり、せっかく五十肩の痛みから解放されても頻繁にぎっくり腰になっていたのでは、ただただ症状だけをなんとかする整体などになりかねません。
ですので、当院の施術メニューには
肩こり解消コース
腰痛改善コース
などのように、部位別のメニューは存在しません。
体全体繋がっている以上、体全体でのバランスを整えることが重要だと考えているからです。

これと同様、「コレステロール値が高い」というだけで、ただただその数値だけを下げるというのでは、体全体での影響を全く無視した考えであることに気づくはずです。
ですが情報弱者はいつも損をします。
権威をかざされてただ従うだけでは、自分の健康は守れません。
様々な場面で情報入手したら、様々な角度から調べる癖をつけるようにしましょう。

ところで、ガンダムの悪玉のネーミングがもし
悪の親玉!赤い彗星シャー専用ザク
などという名前だったとしたら、ガンダム以外は人気がなかったかも知れませんね。
それと同様に「悪玉コレステロール」などというネーミングが悪すぎます。
せめてHDLとかLDLというように呼び方を変更していくことも変な誤解を与えずに済むかも知れません。
コレステロールに善悪はなし!どちらも「スーパー善玉」とでも変更すると、どちらも重要な役割を果たしていると考えることができますよね。