優先順位

先日、当院に来院されている方から、
スッキリさんって15年以上も前からあるのってずっと貝塚に住んでるのに知らんかった。商店街も毎日のように通ってるのに
とおっしゃられました。
そんなもんです。人は根本的関心事にしか意識が行かないため、おそらく当院の場所が貝塚駅から海側に向かって商店街入ってすぐのため、信号があったり人の往来があったりするため、自動車バイクを運転しておられる方であれば意識が交差点にばかり向いていて、
あっ、あそこにスッキリって整骨院あるんやなあ
とはなかなかなりにくいものです。

このように、人は何事においても優先順位があり、優先順位の高いものほど重要視して取り組みますし、優先順位が低いものほど軽んじられてしまいがちです。
自分のようにボクシングを経験したことがあったり、格闘技を見たりすることに興味がある人からすれば、当院に飾っているグローブなんかにパッと目が行ったりしますが、ボクシングを単なる殴り合いの喧嘩と同等に見ている人からすると、全然グローブなんかには目も行きませんし意識も向きません。


ダイエットに意識関心が高い人にとっては、ダイエットに関する番組やYouTube動画などにすぐに意識が向かいますし、当院に置いている脂肪模型にはすぐにパッと目が行くものです。


世界の幸福度ランキングを見ると、G7いわゆる先進7か国と言われる国の幸福度はカナダ15位、イギリス20位、アメリカ23位、ドイツ24位、フランス27位、イタリア41位、日本51位となっており、先進国と言われる国の中で最も幸福度が低いのが日本です。

では幸福度って一体何か?
人には、家庭や家族の円満による幸せというものもありますし、健康面での幸せというものもあります。経済面での幸せもあれば、仕事面教養面社会的貢献という面だったり精神面での幸せというものもあります。
あらゆる幸福度が先進国で一番低いのが残念ながら日本の現状となります。

日本人は特に仕事がとっても大好きな方が多いため、仕事による幸せを感じる方が多いかも知れませんね。というのはちょっと皮肉ですが、おそらくお勤めの方であればあるほど、毎日嫌々ながら仕事へ向かっている方もあるかもしれません。
先日来院された方も
「お金のため、おかねのため」
と言い聞かせて無理やり自分の尻に火をつけて仕事に向かわれているとおっしゃっている方がありました。

その点、自分も含めて自分で会社や整骨院を経営している人はそのような嫌々な感覚はあまり感じないかも知れません。
自分自身が幸せかどうかは別として、仕事を優先順位で最上位にしている方は非常に多いです。
その証拠に当院に来院されている方で、よく予約日時を忘れてしまわれたり勘違いされる方に
あなたは仕事があるにも関わらず、今まで過去に何度仕事を忘れて休んだことがありますか?
とご質問すると、
そんなことしたことあるわけないやん
と返ってきます。
それだけ仕事が最優先されているので、勘違いして仕事を休んだり、休日にも関わらず仕事へ向かうなどということはないのです。
きちんと頭の中にカレンダーが出来上がっているので間違えて出勤することなどありえないくらいに最優先にしているからです。
自分は日曜日に朝からいつも通りに仕事へ向かおうとして何度か制止されたことがありますが・・・。

様々な分野での幸福というものがありますが、最も大切なのはどれか?
それは紛れもなく「健康面での幸せ」となるのではないでしょうか。
健康であれば家庭家族のために尽くすこともできますし、健康であれば仕事もバリバリとこなせるし、なおかつ経済面で困ることもありませんし、勉強もでき社会貢献もできるため、精神面でも幸福度は高まるため、何においても一番は健康面での幸せを感じることができるかが大切となります。

ですが、あれだけひどいぎっくり腰を繰り返していたような方や、あれだけ肩こりひどいと悩んでおられた方が、それほど体の不調を感じなくなってくると、つい油断して変な体勢で荷物を持ち上げようとしてまたギックリをしてしまったり、また気がつけば長時間座りっぱなしでスマホを見続けたがために肩こりが酷くなってしまったりということを繰り返してしまったり・・・。
そしてその度に仕事を休まざるをえない状況に陥ってしまい、結局休んだ分を取り戻すために残業続きでまた腰痛肩こりがひどくなったりということを繰り返しているような方もよく見かけます。

もう少し時間作って自分の体の健康のためにその腰痛気にならない程度までは回復させておいて欲しいのに
と思ったり
そこまでひどい五十肩の痛みをどうしてそこまで放っておいたの?
と、もう少し早い段階で取り組んでもらっていればそこまでひどい状態にまで陥らずに済んでいるのに、という方がたくさんいらっしゃいます。

ですが、
仕事が忙しい
時間がない
お金がない
などという言い訳というか口実をつけて、自分自身の体のケアを後回しにされる方が後を絶たない。
結局のところ、体よりも仕事や家事育児のほうが優先順位が高いということです。

先日、貝塚市から来院された方のご家族が今流行っている「劇症型溶連菌感染症」によって一命を取り留めたということを仰られた方が来院されていましたが、
もしあと一日遅かったら命がなかった
と医師から言われたとのことです。

このように、あなたがもし
今日緊急入院してもらって今すぐにでも手術しないと明日まで命はありませんよ
と言われると、仕事よりも家事よりも育児よりも、時間がどうのこうのとか、お金がどうのこうのとか言ってられないはずです。
明日生きていなければ、仕事家事育児も何もかも失うから、当然自分の体を最優先にするはずです。

ですが、ひどいぎっくり腰にも関わらず、ひどい五十肩の痛みにも関わらず、ひどい膝関節症の痛みにも関わらず、体の健康の優先順位を下げて、仕事や家事など他を優先して体を後回しにされる方が多いこと。

そのくせ毎日毎日痛くも痒くもないにも関わらず、血圧の薬・コレステロールの薬・血糖値の薬・循環器の薬・ビタミン剤カルシウム剤など、ただ飲んでさえいれば健康で居続けられると妄信してしまっている(または医者の言いなりになってしまっている)方が非常に多いです。

それに対して筋骨格系のトラブルは内臓のトラブルよりも軽んじられる傾向にあります。
なぜか?
それは、筋骨格系のトラブルは24時間ずっと痛い訳ではないからです。
もし心臓疾患で心臓が苦しいような状況に陥ると、心臓は24時間365日止まることなく動き続けているため、起きていても寝ていてもずっと痛くて苦しい状態が続きます。

一方で、例えばひどいぎっくり腰寝違いであっても、寝返りをうったときには痛みを感じることもあったとしても、ほとんどが寝ているときには痛みを感じていないため、内臓疾患と比べ優先順位が下がりがちとなります。

当院に来院されている方のぎっくり腰などの痛みの再発が格段に予防できている理由は、もちろん痛み不調を特に感じていなくても定期的な整体による体のメンテナンスをすることによって、体のバランスを整えておくことで痛みに繋がりにくいということもありますが、もっと重要なのは仕事と同じく、もしくはそれ以上に常に自分自身の体の使い方に意識を向け続けてもらっているからです。
腰痛がつらい時は腰から折って前かがみにならないように膝を上手に使って下の物を取っているにも関わらず、つい痛みがなくなると痛い時に取っていた動作をすっかりと忘れてしまって、気がつけばまた前かがみで荷物を取ろうとして痛めてしまうということを繰り返していたのが、当院へ定期的にメンテナンスとして通うことで、体の健康に対する優先順位を常に上位に置いてもらっているため、予防意識が高まった結果として、様々な身体の不調を繰り返さないようになるのです。

あなたは健康最優先していますか?