マッサージはダメでもタイがつけば許されるって・・・

先週あたりから学生さんの夏休みが始まったようですね。
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貝塚駅周辺でも日中に学生さんがチラホラと通り過ぎる姿を目撃しますが、現代の親御さんの半数以上が
夏休みを減らして欲しい
という声が出ているとのことです。

その理由には
学校にエアコンが完備されているから
とか、
共働きのため子どもだけを家で留守番させるのが不安
とか、
子供の昼食を作るのが煩わしい
などの意見が出ているそうです。

このことを岸和田市中学校へお勤めの方にお伺いしたところ、
親御さんがあまりにも中学校の現状を知らなさすぎる
と仰られていました。

現状とは、確かに学校エアコンは完備されたものの、温度設定に自由度がなく28度までしか下げられないということや、35度超えの真夏の通学となると路面温度は40度以上にまでなっており、校内や通学途中で熱中症によってバタバタと倒れるお子さんが増えるだけだとのことです。

ですが現代日本はほとんどが共働きとなっており、また昔のように2世帯3世帯の家庭よりも核家族化が進んでいるため、お爺ちゃんお婆ちゃんが孫を面倒見ている家庭も少なく、子どもだけで留守番させておくことも心配ですし、昼ご飯を考えるのも大変ですよね。
自分が子どもの頃は、ほとんどの家庭がお父さんは仕事に行き、お母さんは専業主婦によって家を守るというのが当たり前でしたが、今ではバブル崩壊以降ずっと日本の家庭は共働きでなければ成り立たないほど貧困化しています。

そしてデスクワークによる座りっぱなしが原因で、ひどい肩こりに悩まされたり、歩けなくなるほど腰痛が悪化したりする方が非常に増えていますが、たまの日曜日にスーパー銭湯やロードサイドにあるもみほぐし屋さんで肩こりを揉んでもらったり、腰痛を揉んでもらったりしてなんとか凌いでおられるという方も多く見受けられます。
全身もみほぐし | ゆるり整体整骨院 六本木
ところで街中でよく見かけるもみほぐし屋さんには、「あんま」「マッサージ」「指圧」という文言は一切書かれていないのはご存じだったでしょうか?
国家資格に「あん摩マッサージ指圧師」という資格があるため、この国家資格保有者でなければ「あん摩」「マッサージ」「指圧」というものを提供してはならないからです。

医師法では「医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」と定められています。
そのため、医師以外が医者を名乗ることはできませんし、紛らわしいような名称を名乗ってもいけないのです。
これを「名称独占」と言います。

また、「医師でなければ医療行為をしてはならない」と定められており、これを「業務独占」と言います。
この名称独占も業務独占もしている資格として、医師・歯科医師・薬剤師・診療放射線技師・歯科衛生士などが挙げられます。

名称独占のみしている資格としては、作業療法士・理学療法士・視能訓練士・臨床検査技師・保健師・救急救命士などが挙げられます。

業務独占のみしている資格としては、柔道整復師・歯科技工士・助産師・看護師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師などが挙げられます。

このことから、もみほぐし屋さんでお勤めの方が仮に
自分はあん摩マッサージ指圧師です
と名乗ったとしてもあん摩マッサージ指圧師という資格は業務独占のため、名乗っただけでは罰せられることはありませんが、あん摩・マッサージ指圧といった行為をすると罰せられるため「もみほぐし」という言いまわしをすることで法律の抜け道を作っているのです。

ですがマッサージそのものが一般用語化しているため、「マッサージ=もみほぐし」と解釈している方が大半だと思います。
その証拠に「マッサージチェア」などという機器もあるくらいですから、すでにあん摩マッサージ指圧師の業務独占などというもの自体あってないようなものです。

さらに意味不明なのが、なぜか「タイ」という文言があれば「タイ古式マッサージ」などというように堂々と看板を掲げて謳っても何ら問題がないというのだから不思議な世界です。
整骨院があったり、接骨院があったり、整体院があったり、カイロプラクティック院があったり、もみほぐし屋さんがあったり、リラクゼーションサロンがあったり、オイルマッサージ屋さんがあったり足つぼがあったり・・・。類似業がたくさんありすぎるのがこの業界のどん深い闇です。
時代に法整備が全く追いついていないからなのでしょう。

当院は「スッキリ整骨院」と名乗っていますが、これも厳密に言えば「接骨院」もしくは「柔道整復院」または「ほねつぎ院」などの名称でなければならず、「整骨院」の「」という文字が「整形外科」と混同するために「接骨院」でなければならないという取り決めがあることははるか昔専門学校で関係法規の中で習いました。
ですが開業時に保健所で届け出を受理されているため「スッキリ整骨院」という名称で開業して長年経過していますが、今後新規で開業するもしくは移転した場合には「接骨院」という名称でなければならないということが最近になって改めて決まったようです。

そのくせ「柔道整復師」という国家資格には「」という文字が使われているのですから、名称でいちいち議論するのであれば、まずは健康保険を取り扱っている整骨院が果たして「急性外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった怪我の処置を、整形外科の代用として整骨院を利用される受診者の保険を正しく受領委任払い制度によって処理しているかどうか」を抜き打ち検査なり、定期的な調査なりすることのほうがはるかに保険不正を防止できるのではないかと思います。

慢性的な肩こりやくりかえしている慢性的な腰痛からくるぎっくり腰坐骨神経痛など、いわゆる慢性疾患に対して整形外科であれば医師は急性でも慢性でも原因不明であっても医療の平等を提供する義務があるため、こと治療であれば健康保険で診てもらえるのは国民の当然の権利です。
整形外科は医師のため、直接請求権が認められているため、治療行為であれば健康保険が適用されるのは誰しもが知っていることです。

ですが、整骨院に対する受診者の認識が誤っている、もしくは整骨院側が健康保険診療として受診できる症状と、健康保険対象外とをしっかりと説明せず、肩こり腰痛神経痛を急性外傷にすり替えてなんでもかんでも保険で安くマッサージまがいのものを提供している治療院が後を絶たないことがこの整骨院業界の大きな問題であります。

少し話は変わりますが、以前の自身のボクシング経験をもとに来院されている方にボクさサイズ教室と題して何度か実際にボクシングを体験してもらったことがありましたが、「ボクさサイズ」という文言そのものが商標登録されているため(「さ」だけひらがなにしているのは「サ」と書くとまた叩いてくる可能性があるため)、うかつに名称を使用すると商標権を侵害することとなります。
別にお金儲けのためにしたわけでもないのですから、「マッサージ」というものが一般化しているのと同様にボクさサイズも一般用語化しているのではないかと思ってしまいます。

整骨院でも接骨院でもどちらでも名称などにこだわるよりも、整骨院受領委任払い償還払いにしてしまえば保険の不正など一気に解消するはずですが、なぜかこの業界がやりたがらないことの一つのどん深い闇ですね。
皆さんは正しく健康保険を利用しましょう。