仕事で腰を痛めたから健康保険?

先日、泉佐野市イタリアンのお店で昼食をしてきましたが、飲食店の店員さんはほとんどの方がマスクを着用して接客されているため、店員さん全員が日本人とばかり思っていたのが、トイレの場所を尋ねると店員さんが日本人でなかったということが後から判明したという体験をしました。
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お手洗いはどちらですか?
と尋ねると、
お手洗い?
と考えこまれていたため、
トイレどこですか?
と尋ねなおすと、すぐに
あっちにあります
と片言の日本語で返答されたため、どうやら「トイレ」は理解できるものの「お手洗い」という言葉が理解できなかったのでしょう。
おそらく東南アジアの国から日本へ何らかの理由で仕事に来られているのでしょう。
当然母国語も日本語もバイリンガルに会話ができるため、相当日本語を勉強されて来日されているでしょうし、母国を離れて日本で仕事をするというものには余程の覚悟があったかと思います。

それにひきかえ日本人は日本語をしゃべることだけで精いっぱいで、下手すれば日本語すらまともに使いこなせていないというのが現状です。
お会計時に明らかに流暢な日本語で対応して頂いたおそらくネイティブの日本人店員さんに5,000円札を渡すと、
5,000円のほうからでよろしかったでしょうか?
と訳の分からん日本語で対応されました。
5,000円のほうから?
5,000円札を差し出しているので5,000円以外どのほうからのものがあるのか意味不明な日本語でした。
ましてや「よろしかった」というのは過去形?過去完了形?一体何がどうよろしかったのかが理解不能でした。

普通に「5,000円お預かりします」とだけで十分日本人なら伝わるにも関わらず、自分が教わってきた日本語教育と現代の日本語教育が大幅に異なってきているからなのか、はたまた若者用語の一種でそのような回りくどい日本語で言うのが流行っているのかは分かりませんが、言葉で相手に自分の意思を正確に伝えることは本当に難しいことです。

過去にも何度か誤解されてしまい、怒って来院されなくなったということがあります。
例えば、70代後半の女性に対して
夏の暑い日に暑いからと言って家でゴロゴロばかりしていては足腰も弱ってしまって、頭も使わなくなってボケてしまったら大変ですから、少しは意識的に外に出かけることも大事ですよ
とお伝えしたのですが、後日になってその方のお友達から
スッキリさんでボケてるって言われたから二度と行かへんって言ってたで
ということをうかがい、どこをどう切り取って解釈されたのか分かりませんでしたが、なぜかその方には「ボケてるで」という風に聞こえたのでしょう。

はたまた妻の祖父は20年以上前に他界しましたが、きっかけは先日感染症法上の5類に扱われることとなった「単なる風邪」でした。
当時祖父は病気知らずの健康そのもので、畑仕事を日課としていましたが、唯一悪かったのが「耳」つまり「難聴」でした。
風邪をこじらせてしまい、一時的に肺炎を患ったため病院へ一応大事を取って入院することとなりましたが、入院している病院の看護師さんから
早く風邪治したら、またしっかりと歩いて寝たきりにならんようにしとかなあかんよ
と言われたのが、
早く風邪治すためにはしっかりと歩かなあかんよ
と聞こえたのでしょうか、冬の寒空の屋上をしっかりと歩いてリハビリして肺炎をこじらせてしまい、そのまま帰らぬ人となりました。

このように伝えた側とそれを受け取った側とで大きく異なる解釈をされることってよくある話です。
先日、電話でこのようなやり取りがありました。
わたくし〇〇という者ですが、ご予約をお取りしたいです
と明らかにネイティブの日本人ではない片言の日本語だったため、
ご紹介でしょうか?それともホームページか何かご覧になられたのでしょうか?
とお尋ねすると、
インターネットで見つけた
とのことでした。
詳しくお聞きすると、どうやら同じ職場の同僚が仕事中めてしまい腰を診てもらいたいが、同僚は日本語を話すことができないため、付き添いで通訳として一緒に来られるということで予約を確保しました。
ですが最後に
ところで健康保険を使うと料金はいくらですか?
と尋ねられたため、
そもそも仕事中に腰を痛められていることから労災保険の適用となりますので、もし職場が労災として認めてくれないようであれば健康保険は適用されません。全額自費となりますので、当院では5,000円となります
とお伝えすると、あまりよく理解されていないようでしたが、とにかく診てもらわないことには解決しないからということで予約を承りました。
ですがしばらくしてから
さきほどご予約頂いた者ですが、健康保険で診てくれる整骨院あったのでキャンセルしたいです
とお電話を頂きました。

日常生活やスポーツをしていた際に痛めた急性外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった怪我の処置を、整形外科の代用として利用するのであれば整骨院接骨院で健康保険を適用することが可能ですが、仕事中に痛めたことで生じている腰痛であればこれは紛れもなく労災保険の適用となり、健康保険は適用されません。
ですが、無知な外国人労働者を食いものにしている整骨院・接骨院が、仕事上での怪我を日常生活上でのケガにすり替えて健康保険で診ているのであれば悪事極まりないことですし、どうせ外国人に保険制度を説明したところで理解してもらえることなど到底不可能だと適当に健康保険にすり替えて保険請求しているク〇整骨院だとしたら、日本人が何十年と積み立ててきた健康保険財政を好きなだけ一部の外国人就労者にむしり取られることとなりかねません。

以前来院されている会社経営者の方が外国人労働者を雇用しているということをおっしゃられていましたが、彼らは(全ての外国人労働者ではありませんので誤解のないように)母国に健康保険制度がないため、日本の歯医者さんで健康保険を使ってできる限り歯科治療を受けて母国に戻る人が結構な人数でいる、ということをうかがったとき、日本の健康保険制度は外国人労働者にまで食いものにされてしまい、我々の将来は健康保険制度の存続などもう不可能ではないだろうかと大変危機感を感じたことがありました。

ですがもう既に日本の健康保険制度は破綻しています。
その証拠に「負担割合」というものが存在しているからです。
もちろん火災保険などにも「免責」というものが存在するため、全てが保険で賄える訳ではありませんが、皆さんが「保険」というものに加入するのは「いざというときに全額保険で賄ってもらえるから」という理由があるからではないでしょうか?
もしあなたが交通事故の加害者となり、被害者の方の尊い命を奪ってしまうようなこととなってしまった場合に
3割負担ですので、被害者の方への賠償金1億円の3割をご自身でお支払い頂けましたら残りの7,000万円をお支払いします
というようなことがあったらいかがでしょうか?
合点納得できないことでしょう。
怒りをコントロールするためには? – 早稲田ウィークリー

日本でも30年ほど前までは健康保険の負担割合ゼロという時代もありました。
ですが社会保険事務所がよく分からんマッサージチェアを導入したりして、しかもその費用が健康保険税としてプールしている財源から使っていたということなどがあったりして徐々に負担割合という自転車操業によってごまかされながらなんとか成り立っているのが今の日本の健康保険制度となります。

本来、相互扶助として成り立っているのが保険制度となります。
日本人であろうと外国人就労者であろうと、仕事中のケガに対応できるのは労災保険のみとなります。
保険を使う側も提供する側もお互いにルールを守らなければ、今後健康保険制度を維持し続けることなど到底不可能でしょう。