貝塚市の山手のだんじり祭りが近づいてきております。






だんじりは見たことはあっても曳いたことはないため、青年団の若者たちが夜な夜な走り込みをされている姿をみて、
『毎日スパルタのようにガンバってるな~』
と日々感心しながら自転車で追い越していきますが、だんじり祭りが終わると一気にお正月まであっという間です。
さて、だんじり祭りの走り込みでこの時期に多いのが、走り過ぎによる慢性疲労から生じる腰痛や股関節痛。
そこで、今回は貝塚市からお越しの方についてお話しますね。
『10年以上前に何気なく体操していたら、急に股関節に違和感を感じて、自分で股関節無理やり動かしたらグリって鳴ってから股関節が痛い』
とのこと。
そしてその股関節痛が長時間の立ち仕事やだんじり祭りの走り込みをするとジワジワと痛くなってきて、それをかばっているうちに反対側の太ももやふくらはぎまで肉離れみたいになって痛みが出てくるとのこと。
早速検査確認してみると、

確かに左股関節痛をかばっているためか、右に傾きを起こしている状態となっていました。
さらに横からの重心を確認してみると、

前傾姿勢となっており、骨盤の真上に頭が乗っていない状態でした。
そのため、慢性的な肩こりをはじめ、肩こりがひどくなると頭痛にまで発展するとのこと。
腹臥位での股関節の可動域や動きに左右差はなかったものの、かばっている右大腿部のストレッチをすると走り込みによる筋肉痛様症状がありました。
さらに仰臥位で股関節検査をしてみると、屈伸時にクリックが確認されました。
どうやら過去に痛めた股関節が、いわゆる『ばね股』という状態になっているようでした。
ばね股とは、弾発股とも言われていますが、スポーツ外傷などで股関節を痛めてしまったり、何らかの動作で股関節周辺で炎症を起こすことで痛みが出ると言われています。
ばね膝やばね指などと言われるものもありますが、それと同様に股関節周辺で『ガク』っという音や『パキっ』という音が鳴ったりするもので、基本的には痛みはありませんが、長時間の立位や過度に股関節に負荷がかかったりすることで痛みが出ることがあります。
では一体どこで音が鳴ったりしているかというとココ。

この大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の延長線上に腸脛靭帯があり、この部分が股関節の大転子の上を通っており、この腱の部分が股関節の屈伸時にズレる際に音が鳴ったりするものです。
大転子とはココ。

ちょうど骨盤の側面の出っ張った部分のところで、ここから先ほどの大腿筋膜張筋腱が股関節の屈伸運動の時に脱線することで音が鳴ったりします。
ちなみに岸和田市にある和泉高校という高校へ通っていましたが、今は廃部となってしまっているラグビー部で右ウィング(日本代表選手の松島選手と同じポジション)だった時に、タックルされてこの大転子から思いっきり強打して転倒し、転倒後のラックの最中に思いっきり大転子部分を上からスパイクで踏みつけられたことがきっかけで股関節を痛めたことがあり、その後ばね股となってしまった経緯があります。
ですので、来院された方に
『ばね股って一体どんなん?』
という質問をされた時には直接大転子を触ってもらってばね股とはどんなものか確認してもらっています。
まあ大体は
『気持ち悪っ』
という感想が返ってくるのがオチですが。
今回は長時間の立ち仕事に加えて、だんじりの走り込みが重なってばね股が痛くなってきていることに加えて、反対側でかばっているうちに大腿部にまで負担がかかってきている状態となっていたため、早速骨盤矯正開始。
施術後確認してみると、

肩の高さの左右差も解消されています。
そして横からの座位を確認してみると、

施術前の猫背で前傾姿勢だったのが解消されて終了。
股関節のトラブルに加えて、二次災害で反対側の大腿部にまでトラブルを生じている状態だったため、身体全体のバランスを整えることで重心の位置が整い、結果猫背や猫腰などの不良姿勢も解消されてさらなる三次災害にまで発展しないようにすることも大切です。
10年以上前からの慢性的な股関節痛。
施術後に
『急性外傷性の股関節の怪我ではありませんから、整骨院では健康保険の取扱はできませんので』
とお伝えすると
『知らんかった、整骨院って整形外科と同じように健康保険使えるとばかりおもってた』
とのこと。
ちなみに、走り込みでアキレス腱が切れたりするような急性外傷性の疾患であれば整骨院の健康保険の対象としては取り扱うことができますが、繰り返し何度も走り込みをした結果、だんだんと肉離れ様症状となった場合は、亜急性の疾患と扱われる可能性もあり、健康保険の取扱を受け付けてくれない整骨院もここ最近は増えてきているようです。
当院では慢性もしくは亜急性症状の方がほとんど来院されるため、また整形外科の斜め向かいにあるため、ほぼ急性外傷性の怪我の処置を希望されて来院される方は皆無に等しいです。
貝塚初の慢性疾患を専門的に診ている整骨院と言えるかも知れません(あくまで自称です。他の貝塚市内の整骨院・接骨院さんでも慢性疾患を専門に取り扱っておられる先生もいらっしゃるかも知れません)