貝塚駅前に移転してきたのが2009年のこと。



10年前のことですが、ここ貝塚中央商店街にオープンした時は、
『とにかくひたすら揉みほぐす』
というスタイルで施術をご提供しておりました。
というのも以前泉南市から貝塚市へ移転してきた際に多店舗展開を企て、とある整骨院フランチャイズ展開しているグループに加盟し、そこの方針にある程度従っていたため、
『とにかく長くもみほぐし』
というスタイルで、またスタッフを数名雇用していたため、技術統一しようとしたら手っ取り早く効率的なため、ひたすら長く長く肩こりから腰痛から何から何までとにかく揉みほぐしていたため、毎日スタッフはもちろんのこと、自分も手がパンパンに腫れあがり指先はむくみ、その割にはあらゆる健康保険を駆使していたため毎日の売上は疲労の割には上がらず、結局スタッフへの給与もろくに与えることもできず、しかも多店舗展開を企てていたにも関わらずなかなか従業員獲得及び教育に苦戦し、結局自分のやりたいスタイルで自分の提供したい施術を自分の思うようにしようと決心してから今のスタイルで5年近くになります。
今が一番自分のやりたいスタイルで施術をご提供できること、そしてスタッフにいちいち変に気を遣いながら仕事せずに済んでいるため、この仕事をはじめてから20年以上となりますが、ようやく自分なりのスタイルが確立できたように思います。
おかげで昔のように手がパンパンに腫れ上がることもなくなり、しかも今の方があれだけ繰り返していたぎっくり腰がここ5年ほど全く回避できているという方が続出しているため、本当の意味で皆さんに貢献できているように思います。
しかも自分自身もここ5年ほどぎっくり腰をしていないため、今までがかなり身体に負担をかけ続けてきたと思うとゾッとします。
治療家にとって手は命です。
指先の感覚で身体の状態を察知し、的確な施術とアドバイスを求められる仕事なだけに、自分自身の健康にも日々気をつけることが必要です。

そこで、今回は貝塚市からお越しの方についてお話しますね。
『草刈りしていて手を使いすぎて腱鞘炎になったみたいで、手が痛くて疼いて少し腫れている』
とのこと。
娘さんが泉南市で開業した当初から来院されており、たまたま娘さんの実家が貝塚市ということもあり、ご紹介により来院されました。
来院された主訴は
『股関節痛と可動制限』
でした。
当院に来院されてからも、仕事が忙しい時期はずっと座りっぱなしの内職をされていたため、股関節痛と可動制限は悪化する一方で、結局手術を余儀なくされ、手術後もこれ以上身体を悪くしたくないということでリハビリがてら再発防止のために当院へ通われています。
ですが、今回も仕事や家事が忙しく、結局半年近く通院が途絶えていたのですが、今回の消費増税とともに当院では再診料制度を設けたため、そのことを娘さんから耳に挟み、なんとかして定期的に予防のために通院しようと思われ来院されました。
今回は手が疼くということで早速診てみると、

右の2指と3指が腫れているため少し左に比べてテカテカした状態となっています。
明らかに指先が炎症を起こし、腫脹による指関節の膨隆が見られます。
きっかけとなったのは『草刈り』
ですが以前からも手をよく使われる内職をされているため、再三腱鞘炎を再発しており、今回も手が腫れてきたけどいつものように湿布を貼っておけばそのうち治るだろうと思われていたものの、だんだん痛みがひどくなってきたため、自分の自然治癒力の低下にがっかりされ来院されました。
筋肉が関節を跨ぐところは腱と言って硬い結合組織によって覆われ、その腱はさらに腱鞘と言われる組織に束ねられています。
鞘は音読みすると『しょう』ですが、訓読みすると『さや』と言います。
刀の鞘(さや)に当たる部分が腱鞘に、そして刀の部分が腱をイメージしてもらったらいいと思います。

この鞘の部分が炎症を起こすと腫れます。
その腫れによって腱が身動きとれない状態となると、ドケルバン腱鞘炎やばね指などと言われるような痛みや指先の引っかかり現象などを生じるようになります。
ですが、多くの腱鞘炎患者さんを見ていると、確かに腱鞘炎は手指の痛みを伴ったり腫れを伴ったりしていますが、それだけではなく肩こりや腰痛などを併発していることが大変多く見受けられます。
自分自身も以前親指がパンパンに腫れ上がるまで施術でマッサージのように揉みほぐしをメインにしていた頃はよくぎっくり腰を繰り返していましたが、今の施術スタイルに切り替えてからぎっくり腰や腰痛で悩まされることがなくなったため、やはり腱鞘炎になる人の特徴は手の使いすぎではなく、手の使い方に問題があります。
手の使い方に問題があるということは、手の上にある肘や肩をはじめ体全体の使い方に問題があるため、腱鞘炎だけに留まらずほかの症状も併発することが多かったりします。
ですので当院では手の腱鞘炎であっても手だけを何らか施術を加えるということは致しません。
手の腱鞘炎であっても背骨や骨盤の矯正はします。
そうすることで体全体の機能を高めながら人間本来持っている自然治癒力が高まってくるとやがて腱鞘炎による痛みも解消されることでしょう。