

ランナー膝の原因COLUMN
ランナー膝の原因COLUMN
ランナー膝の原因
ランナー膝の正式名称は「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」といいます。太ももの外側にある「腸脛靭帯」という強靭な腱が、膝の外側にある骨(大腿骨外側上顆)と擦れることで炎症を起こし、膝の外側に痛みが生じるのが特徴です。
繰り返しの膝の曲げ伸ばし
文字通り「ランナー」に多いのは、ランニング中の膝の曲げ伸ばしが原因だからです。
過度のオーバーユース:急な走行距離の増加、練習量の増加、休養不足などが原因で、腸脛靭帯と骨との摩擦が過剰になります。特に、マラソンや長距離走のような、長時間にわたって膝を曲げ伸ばしする運動で発症しやすいです。
下り坂の走行:下り坂を走る際は、膝への衝撃が大きくなる上、着地時に膝がより大きく曲がるため、腸脛靭帯の摩擦が増加しやすくなります。
硬い路面での走行:アスファルトのような硬い路面は衝撃吸収性が低く、膝への負担が大きくなります。
筋肉の柔軟性・筋力不足と体の使い方
筋肉のバランスや体の使い方にも原因が隠されています。
腸脛靭帯の柔軟性低下:腸脛靭帯自体が硬くなっていると、膝の動きの際に擦れやすくなります。
臀部(お尻)の筋肉の弱さ:
中殿筋(ちゅうでんきん)の機能不全:お尻の側面にある中殿筋は、骨盤の安定や股関節を外側に広げる(外転)動きに関わっています。この筋肉が弱いと、ランニング中に骨盤が左右にブレやすくなり、結果として腸脛靭帯が過度に引っ張られたり擦れたりする原因になります。
大臀筋(だいでんきん)の弱さ:お尻の大きな筋肉である大臀筋が十分に機能しないと、ハムストリングス(太ももの裏)や腸脛靭帯に負担がかかりやすくなります。
ハムストリングス(太ももの裏)や大腿四頭筋(太ももの前)の柔軟性不足:これらの筋肉の柔軟性が低いと、股関節や膝関節の動きが制限され、腸脛靭帯に負担がかかりやすくなります。
体の軸のブレ:ランニングフォームの中で、体幹が不安定であったり、着地時に膝が内側に入ってしまう(ニーイン)ような走り方をしていると、腸脛靭帯が過剰に引っ張られ、擦れる原因になります。
合わないシューズや路面環境
シューズや走る環境も原因となることがあります。
合わないシューズ:
クッション性の低下:古くなったシューズやクッション性の低いシューズは、地面からの衝撃を吸収しきれず、膝への負担が増加します。
サイズやフィット感の不一致:足に合わないシューズは、不自然な走り方につながり、膝に負担をかけることがあります。
路面の傾斜:常に同じ傾斜のある路面(バンクのあるトラックや斜めの道路など)を走ることで、片側の膝にだけ負担が集中しやすくなります。
ランナー膝は、これらの原因が単独で起こることもあれば、いくつか重なって発症することもあります。ご自身のランニング習慣や体の状態を振り返ってみることで、原因が見えてくるかもしれません。


